PRO-CTCAE™(version 1.0)Patient-Reported Outcome (PRO) Common Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE)
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PRO-CTCAE™について
近年、治療開発の臨床試験において、医療者によるアウトカム評価だけではなく患者自身による主観的評価、すなわちPatient-Reported Outcome(PRO)の重要性が認識されてきました(FDA Guidance for Industry 2006 1)など)。PRO-CTCAEは、この考え方をがん臨床試験の有害事象評価に適用し、より正確度と精度の高いグレーディングを行う評価システムを構築することを目的として、米国NCIの研究班(研究代表者: Ethan Basch)によって開発されました。
PRO-CTCAEは、既存のCTCAEを活かしつつPROの要素を導入し、患者の自己評価にもとづいて有害事象を測定できるシステムツールです(http://outcomes.cancer.gov/tools/pro-ctcae.html)。
2011年9月にJCOG運営委員会で承認されたPRO-CTCAEの日本語訳が以下に示すNCIのWebsiteで2017年2月に公開されました。
1)Guidance for Industry Patient-Reported Outcome Measures: Use in Medical Product Development to Support Labeling Claims http://www.fda.gov/downloads/Drugs/GuidanceComplianceRegulatoryInformation/Guidances/UCM193282.pdf
PRO-CTCAE™ページ
https://healthcaredelivery.cancer.gov/pro-ctcae/
PRO-CTCAE&trade™日本語版のダウンロード(PDF)
https://healthcaredelivery.cancer.gov/pro-ctcae/instruments/pro-ctcae/pro-ctcae_japanese.pdf
PRO-CTCAE™の利用方法について
NCIより示されている運用方法の案は以下のとおりです。
- PRO-CTCAEを使用する場合は、「Terms of use」と「Frequently Asked Questions」を必ず参照してください。
- 質問項目そのものを論文に掲載する場合は、NCIの承諾を必ず得るようにしてください。
- JCOGへのご連絡は不要です。NCIのホームページをご確認の上、利用をお願い致します。
- 78の有害事象項目からなる124問すべてに回答を求める訳ではなく、試験毎に目的に応じて部分的に利用できます
- インターネットを用いたプラットフォームが構築されていますが、紙、自動音声応答によるシステムによる運用でも問題ありません
- 紙、web、自動音声応答によるシステムにより28項目の質問を完了するために、4-6分間の時間を要することが報告されています
- 欠損値や研究者・患者の負担を考慮し、一般的に治療開始前の評価には20分未満、治療開始後の評価には10-15分未満で終了できる項目数を選択することが推奨されています
- 評価のタイミングは、毒性の生じるパターンや試験の目的を反映させたものにすれば良く、具体的な評価期間が定められているわけではありません。ただし、試験の鍵となる期間(例えば、早期の相の試験における最初の2コースなど)については週ごとの評価を考慮することが推奨されています
- リコール期間(患者さんに症状を振り返ってもらう期間)は"7日間"と定められており、測定誤差の影響を小さくするためにも、7日間より大きくすることは推奨されていません
- PRO-CTCAEの評価項目に対応するCTCAEの項目を同時期に評価し、報告することが推奨されています
PRO-CTCAEプロジェクトについて
このプロジェクトは、JCOG、東北大学、東京大学の共同で進められ「独立行政法人日本学術振興会科学研究費助成事業[学術研究助成基金助成金 基盤研究(C)]課題番号2459059(主任研究者:山口拓洋(東北大学大学院医学系研究科 医学統計学分野))」の公的研究費を受けて実施されました。
東北大学大学院医学統計学分野
(http://www.biostat.med.tohoku.ac.jp/news/information_20170207_PRO-CTCAE_Japanese.html)
東京大学大学院医学系研究科 臨床試験データ管理学講座
(http://ctdm.umin.jp/information_20170207_PRO-CTCAE_Japanese.html)