第12回JCOG患者・市民セミナー(アドバンス編)開催報告
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開催報告
2026年2月21日(土)、JCOGが実施している臨床試験に関連する内容を、臨床試験に携わる医師とともに学んでもらうことを主旨として第12回JCOG患者・市民セミナー(アドバンス編)を開催いたしました。
テーマ「JCOG臨床試験の実施体制とJCOG試験結果の解説」
JCOGで実施している臨床試験の体制や医療経済委員会活動の講義に加え、今年度発表されたJCOG試験の立案から結果までの流れを、各試験の研究事務局の先生に解説いただきました。今回は、中咽頭がん1試験と、膀胱がん1試験について解説いただきました。

プログラム(講義資料)
| 講義1:患者市民参画について | 丸山 大 先生 | |
| 講義2:JCOG1208(中咽頭がん) | 中村 聡明 先生 | レイサマリー |
| 講義3:臨床試験の実施について | 福田 治彦 先生 | |
| 講義4:医療経済委員会の活動紹介 | 佐々木 啓太 先生 | |
| 講義5:JCOG1019(膀胱がん) | 北村 寛 先生 | レイサマリー |
Q&A(ブレイクアウトルーム)
講義の後、申し込みいただいた方々により4個のブレイクアウトルームに分かれて講義の感想や意見交換を行いました。およそ30分間という短い時間ではありましたが、参加者のみなさまの活発なディスカッションが各ルームで行われました。
- 生の声を色々直接聞くことができて良かったです。放射線治療の啓発とかどの病院にかかったらいいのかわからない、治療法の選択肢があるのかどうかわからないなどの貴重なご意見を聞くことができて参考になりました
- 丁寧にご回答をいただきありがとうございました。フィードバック大切ですねと仰っていただき、嬉しかったです。
- 国際治験の現状など他では聞けないようなお話しが聞けて参加してよかったです。
- 治験や薬に対する先生方のご意見を伺うことが出来て、非常にためになりました。特に海外における日本の立場は興味深く、病院にいると海外の方(特に中国の方)も多く見かけます。それなのに日本が外されている現状にすごく不思議な感じがしました。新たな認識を得た感じです。
- 先生方とお話しできて良かったです。また、個人的に気になっていたこと(PPIにおいて、研究者の先生方は、患者のどんなことを知りたいと思っているのか)を質問できて嬉しかったです
- とても活発な意見が聞けた思います。JCOGの立ち位置や患者会との連携についても意見が出ていました。優等生的な発言ではなく参考になる意見だったと思います。
- なかなか先生方とお話をする機会が少ないので、とても新鮮でした。
各講義でお寄せいただいたご感想の一部をご紹介いたします
講義1:患者市民参画について
- ジョハリの窓のスライドをみながら、何度も繰り返しPPIとは何かを考える機会となっています。
- レイサマリーという言葉を初めて知りました。さっそくホームページに行って読んでみたいと思います。
- 分かりやすかったです。こちらのセミナーで何度か聞いている内容ではありますが、あらためてまた聞けてよかったです。the patientやfuture patients、ジョハリの窓のお話で、いつも「なるほど」と思います。参加、エンゲージメント、参画のちがいも分かりやすいです。
- より良い治療法を見つけるために研究者だけでなく、患者や市民と協働していくことの大切さがよくわかりました。
- PPIという言葉はもうだいぶ前から聞いていますが、今日初めて定義としてしっかり理解出来た気がします。
- 日本では国家的な支援が十分とは言えず、この差をすぐに埋めるのは容易ではないと思います。それでもまずは、現状の差を正しく認識し、少しずつでも追いついていくことに希望を持ちたいと思いました。
講義2:JCOG1208(中咽頭がん)
- 早期の中咽頭がんに対するIMRTの有用性がよくわかりました。試験中に苦労したことのなかにロボット手術(低侵襲手術)の普及が挙げられていますが、現状の標準治療のなかでの対比を知りたいと思いました。
- 中咽頭がんの原因や、治療後の喫煙の希望など新たに学べました。放射線治療の可能性に期待する一方で、食事などへの影響の改善を今後も考えて欲しいと思いました。
- 新たな治療法の効果を示すという点で素晴らしい研究だと思いました。また立案から完遂まで時間がかかったことについての言及がありました。効率が過剰に重視される昨今ですが、(限度はあれど)時間はかかっても真に価値のある結果を示すことの重要性が示されたと思います。
- 放射線療法がこのようにして進歩していくのだという軌跡がよくわかりました。
- ロボット手術を代表する低侵襲手術が普及するなか、放射線単独治療に対する不安感を抱く患者さんが多いなか、どのように、患者さんに説明し、参加を促すことができたのか気になりました。
- 患者のQOLを下げないためにとても良い治療方法だと思いました。
- 中咽頭がん患者の明るい未来が垣間見れるお話でしたので、中村先生のお話を、患者会として広報する必要性をつくづく感じました。
- 中咽頭がんの原因の一つにHPVウイルスがあることを知りませんでした。外科的切除よりもIMRTですむのならば、患者さんのリスクも少なくて良いですね。
- 普段関わっている領域でしたので初めて知る内容もあり特にウイルス型については驚きました。10年以上前の試験かつ登録に苦労された内容など得ることが多かったです
講義3:臨床試験の実施について
- 臨床試験の科学性と倫理性をどのように保っているのか、初めて聞くことができて、とても興味深かった。有効性・安全性を確保することは何よりも大事であるが、その方法がいかに大変でも実行されている事(秘密保持を含め)に頭が下がる。私たちが有効な治療を安全に受けられているのには、こんな手間暇がかかっていることを伝えていきたい。
- 「エビデンス」ができるまでの実際の流れは外からはわからないので、理解が深まると思いました。
- 臨床試験の実際の行われ方、各施設でぶれのない結果を得るための監査がよくわかりました。
- 品質管理と品質保証という、言われてみるとあたり前で、全然知らなかったことを学びました。現地監査でしかわからないこと(同意書など)もある、と初めて知りました。
- より良い治療方法について、長い時間をかけて取り組んでいただいていることをありがたく思います。本当に有用で安全な治療方法を確立するためには欠かせないものであり、患者側としても臨床試験についての正しい認識を持ち、治療方法や薬剤の進歩に期待していきたいと思います。
- 安全性について、患者のことを考えて評価されいることが、よくわかりました。
- 患者には中々接することのない分野のお話で、とても興味深かったです。臨床試験が患者につながるまでに長い、複雑なプロセスがあることを知りました。QCとQA、モニタリングと監査...少し企業の営みとつながる部分があり、イメージ出来ました。
- とても分かり易かったです。特にパワーポイント説明時に黄色い枠で、具体的なコメントや事例が耳と目で入ってきたのでストレスなく聞けました。
- 臨床試験が慎重に進められている事が、資料を良く読んで理解しました。
- 患者・市民の立場からPPIを学ぶうえでも、臨床試験の信頼性を支えるために、モニタリングだけでなく監査も行われていることを知るのはとても重要だと感じました。患者の安全を守るための具体的な仕組みについて理解を深めることができました。
- これらの知識は、患者として臨床試験に関わる際の安心感につながるとともに、PPIの担い手としての視点を持つうえでも大切な学びであると改めて実感しました。
講義4:医療経済委員会の活動紹介
- 経済的負担の苦労なく治療が受けられることは大事だが、国民も医療費・医薬品金額の推移などを知って、それが国の経済に与える影響を考える事も大事だと思った。
- このような委員会活動が、患者さんの医療費の負担軽減につながるといいと思います。難しいことですが、望む治療ができる日本であって欲しいと思いました。
- 自分が支払っている社会保険料と抱えている課題、試験にかかる医療費問題がリアルにわかりました。
- 「コストに見合う上乗せ効果」という言葉で、研究に規制がかかるのではないかと思いましたが、そうではないという説明を戴き安心しました。医療者、患者・市民ともに医療経済を意識することが大切だと思いました。
- 臨床試験は新しい薬や治療を見つけたり、試したりとプラスにするものだと思っていましたが、休薬や減薬も研究したりとマイナスもあるんですね。
- 日本における医療費の現状について学ぶ中で、近年、悪性腫瘍に対する薬剤の増加が医療費全体に大きな影響を与えていることを知りました。次世代への負担や、国民皆保険制度を持続可能な形で維持していくためには、「臨床研究の段階から経済的視点を取り入れることが重要である」と強く感じました。
講義5:JCOG1019(膀胱がん)
- 大変インパクトの高い臨床試験結果で患者さんにもわかりやすい内容だったと思いました。レイサマリーの価値も高いと思いました。
- 膀胱癌についてあまり知識が無かったので興味深く聞くことができました。排泄に関わることは尊厳にかかわることでもあるので、治療法でも治療後のQOLでも、患者さんの視点を大切にした試験であって欲しいと思いました。
- 治療を省略することができる、ということは大変意義深いと考えます。
- 追加の治療を受けない側に振り分けられた患者さんの勇気のおかげで、不要な治療を受けずにすむという結果が得られたのは素晴らしい事と思います。
- 副作用の問題はQOLにも直結しますし、講義4の医療費の問題にもつながる話だったと思います。再発の不安はどちらにしてもつきものです。経過観察を密にするとかで不安と再発転移の兆候を診ていただけるならば、出来るだけ副作用のない生活を送りたいです。すごく患者目線の研究だなと思いました。
- 今までの標準治療から、なぜ今回の臨床試験を必要だったのかが分かりやすく、「こうやって医師主導試験はうまれるんだな」とあらためて感動しました。講義4の医療経済のお話をふまえたうえでお聞きできて興味深かったです。
- 標準治療の有益性を見直す研究、このようなことも臨床研究でなされていることを知りました。今までの治療を覆すのは相当なエネルギーとエビデンスが必要だと思いますし、年月がかかるものですね。歴史に立ち会っている感じがしました。
- 患者をリスク別に層別化し、低リスク患者には治療をしないでも大丈夫というのは、患者のQOL、経済的負担、医療経済にとってとても良い事だと思いました。
- 中々登録が進まない研究に携わる事もありますが結果を早く世界に公表するためにはスピードが大事だとは思いますがやはり臨床研究は時間がかかるなあとも感じました。
アドバンス編全体
- 初めての参加でしたが色々有益な情報収集や意見交換の機会をえることができました。
- 回数を重ねていくうちに少しずつですが、わかることが増えてきて進歩している自分を感じることが出来ます。自分のり患している病気とは違うところからでもたくさん学べるところがあったと思います。
- 研究者が、それぞれの専門分野で患者のために尽力されていることがよくわかりました。
- 今日の話から、私たちに出来ることは何だろう?自分が解決したいことは何だろう?という問いに移していきたいと思います。
- 講義1では、PPIについて改めておさらいすることができ、そのうえで中咽頭がんや膀胱がんに関する最新の臨床試験の情報、さらに臨床試験の実施において科学性や倫理性をどのように担保しているかといった仕組みについても学ぶことができました。また、今後ますます重要になる医療経済の視点についても、患者として真摯に向き合っていく必要性を感じました。JCOG患者市民セミナー(アドバンス編)として、非常に充実した内容であり、たいへん有意義な時間を過ごすことができました。貴重なご講義をありがとうございました。
JCOG患者参画委員会事務局 木村綾
