第9回JCOG患者・市民セミナー(入門編)開催報告

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開催報告

2024年8月24(土)、JCOGが実施している臨床試験に関連する内容を、臨床試験に携わる医師とともに学んでもらうことを主旨として第9回JCOG患者・市民セミナー(入門編)を開催いたしました。
JCOGでは、JCOGが行う臨床試験をよりよい研究とし、より多くの患者さんに参加いただき、より多くの患者さんに貢献するエビデンスを創出していくため、こうした患者市民参画を継続的・恒常的に行う仕組みを作ることを考えています。
今回のセミナーでは、臨床試験について知っておいてほしいことを中心に、研究者による6つの講義と少人数に分かれてのQ&Aセッションを行いました。

プログラム

講義1:患者市民参画について JCOG患者参画委員会委員長 丸山 大 先生
講義2:がん治療の全体像 JCOG患者参画委員会副委員長 上野 誠 先生
講義3:JCOGと治験・治療開発 JCOGデータセンター長 福田 治彦 先生
講義4:医薬品の審査と承認 医薬品医療機器総合機構 市川紗弓 先生
講義5:臨床試験の例 JCOG患者参画委員会 吉川貴己 先生
講義6:臨床試験に固有の概念 JCOG副データセンター長 柴田大朗 先生
ブレイクアウトルームに分かれてQ&A

参加メンバー

ご参加いただいたみなさま(掲載をご許可いただいた方のみ:順不同)

メインルームの様子

Q&A(ブレイクアウトルーム)

講義の後、申し込みいただいた方々により9ルームに分かれて講義の感想や意見交換を行いました。30分間という短い時間ではありましたが、参加者のみなさまの活発なディスカッションが各ルームで行われました。

  • わからないことがわからないということを医療者には言えないように感じていましたが、そのことに真摯にお答えいただきありがとうございました。
  • 初参加の方が、とても熱心に発言されていて、セミナーが心を動かしたことを感じました。多くの人が発言の場を欲しているのではないかと思いました。
  • 先生方が、医療や研究にまつわる専門用語について、ちゃんと患者さんが理解できているかを気にしてくださっているのが分かり、とてもありがたいと思いました。
  • 色々なお立場の先生や患者の組み合わせの中、各人の臨床研究、治験の感じ方をお話頂き、視野を拡げることが出来、とても有意義な時間でした。
  • 少人数制なので、ざっくばらんに感想等を共有できてよかったです。
  • 多くの先生方やPMDAの方と話ができ、とても有意義な時間でした。
  • 患者さんの声を聴くことができる機会としてとても貴重な機会でした。
  • 患者さんや医療従事者の方とお話をする機会が普段の業務ではなかなかないため,実際の医療現場での声を聴けたことはとても有意義でした。

          

各講義でお寄せいただいたご感想の一部をご紹介いたします

講義1:患者市民参画について

  • 患者市民参画により、現在、そして将来の患者さんたちのためにつながっていると感じた
  • PPIという言葉の意味を理解していなかったので、覚えられて良かった。
  • PPI(患者・市民参画)のことについて、分かりやすい説明で理解が深まりました。また、レイサマリーのこともさらに知ることが出来て良かったです。
  • 診療と研究の違いをお教え頂いたうえで、なぜ臨床試験にPPIが必要かを学び、臨床試験の意義、および患者、市民の参加する事の大切さを学べた。

      

講義2:がん治療の全体像

  • 「よさそうな医療が、必ずしもいいとは限らない」という言葉が印象に残りました。治療と臨床試験の違いを理解すること、特に「不確実性」への理解の重要さが伝わりました。
  • 患者と研究者のジレンマはとても実感がありました。研究者側のジレンマも理解できたので、闘病後ある程度たって、知識や落ち着きを得たときに聞けたらと思いました。
  • このようなお話をゆっくり主治医から聞く機会はないので、とてもありがたかったです。

      

講義3:JCOGと治験・治療開発

  • 臨床試験から標準治療に替わるまで長い年月がかかること、そして標準治療になる割合がまだまだ少ないとも思えたが、一方で今ある標準治療は、さまざまな患者さんのおかげであることに感謝したいとも思えた。
  • JCOGの治験の関わり方について詳しく知ることが出来ました。また、開発スケジュールなど詳しい情報を発信されていることなども知ることが出来て、より理解が深まりました。
  • 「全国標準にすべき最大効果のある治療」という意図で標準治療がどれだけ準備されてきたかがわかりました。
  • 企業の行う治験とJCOGの臨床試験の違いなど、今まで知らなかったことを知ることができました。

         

講義4:医薬品の審査と承認

  • 薬になるまでには当然ですが、承認されるまでのいろいろな段階で審査の大切さが分かりました。
  • 申請をしても、承認されないことが衝撃だった。一方で、患者向けの分かりやすい資材があることを知り、情報を正しく知ることで患者さんの不安は減ると感じた。
  • PMDAのことを整理してうかがう機会はなかったので、学びになりました。GCPは知っていたのですが、GMPという業務もあることは初めて知りました。PMDAと患者市民の双方向の情報提供で築ける未来があると思いました。
  • PMDAの①健康被害救済、②承認審査,③安全対策の3つのPMDAの業務がある事が、整理され分かりました。また基礎研究から製造販売までの過程が膨大な時間と費用の中薬が出来ることを学んだ。


講義5:臨床試験の例

  • 標準治療が素人考えで理解が難しい場合も、臨床試験の結果を受けて、ガイドラインが作られていることが理解できました。
  • 放射線を上乗せしてもOSはよくならない、など、想定と異なる結果が出ることもあり、しかしネガティブ試験となったとしても、そういう結果があることに意味があるとわかりました。
  • 実際に、結果が良かった試験と、悪かった試験、さまざまなパターンが知れてよかったです。
  • ホームページなどでデータを参照しても統計知識がないのでよくわからなくなってしまいますが、とてもわかりやすい説明でした。

        

講義6:臨床試験に固有の概念

  • 統計は難しかったが、やはり大変なプロセスを経て世に出ている事がわかった。承認されてから取り下げになっている新薬が以外に多いと感じた。
  • 不安や悩んでいる患者会の仲間に、寄り添いながら正しい情報の調べ方を提供したいと思った。
  • 患者に不利益が出ないように、選び抜かれて臨床試験が実施されていることがよくわかりました。
  • がんの臨床の探し方が今一つ落とし込めていないところがありましたので、わかりやくご説明頂き、よくわかりました。有難うございました。

      

入門編全体

  • 今まで何となくぼんやりと分かったつもりでいた治験や臨床試験のことが理解でき、参加して良かったです。でもまだまだ分からないこともあったので、また参加したいです。
  • 薬や臨床試験について新しい知識を得ることができました。難しい部分もあるので、また機会があれば参加したいと思います。
  • 切迫した自身に迫った状況下ではなく、こうしたお話をまとまった時間聞くことができたことはとても貴重な体験でした。
  • 何度か受講させていただいていますが、改めての発見がありました。
  • 入門編、2回目の参加でした。1回目のときは難しくて分からなかったお話も、2回目はすんなり理解できた部分が増えてとても良かったです。回を重ねるごとに理解が深まってゆくのだろうなと思いました。今回もありがとうございました。
  • 今回、多くの方が参加してくださり、患者市民参画のすそ野が広がっていくことに期待を持ちました。
  • JCOG患者市民セミナーは、大きな楽しみと刺激と緊張が経験できる特別な機会だと思います。今後も参加したいと思っています。よろしくお願いします。

       

JCOG患者参画委員会事務局 木村綾