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JCOG医療経済小委員会-泌尿器科腫瘍グループによる薬剤コスト調査研究論文がJapanese Journal of Clinical Oncology (IF:1.9) に掲載されました

論文・学会発表
  • 背景
    • 進行(ステージIV)前立腺癌と腎癌は予後不良であり、いくつかの治療法が開発されているが、その多くは非常に高額である。 本研究では、未治療のStage IV前立腺癌および腎細胞癌患者に使用されている薬剤レジメンを調査し、それぞれの1ヵ月あたりのコストを算出した。
  • 方法
    • 2022年4月から2023年3月までに日本臨床腫瘍研究グループ関連施設で未治療のStage IV前立腺癌および腎癌患者に投与された第一選択薬を調査した。 薬剤費は2023年9月の薬価で算出した。 個々の薬剤費は28日分の費用に換算して算出した。
  • 結果
    • 未治療のIV期前立腺がん患者700人を対象とした。 アンドロゲン除去療法+アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬が最も一般的なレジメンであった(56%)。 アンドロゲン除去療法+アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬の費用は、従来の治療と比較して10.6〜30.8倍であった。 ステージIVの腎癌患者137人を調査した。 そのうち91%の患者が免疫腫瘍薬ベースの治療を受けていた。 全例が1ヵ月50万円以上の治療を受け、80.4%の症例が1ヵ月100万円以上の治療を受けた。 免疫腫瘍薬ベースのレジメンのコストは、TKI単独の1.2〜3.1倍であった。
  • 結論
    • われわれの知る限り、これは未治療のIV期前立腺癌および腎細胞癌における第一選択薬物療法を年齢と治療費で層別化した最初の調査報告である。 われわれの結果は、ほとんどの日本人患者が経済的負担の大きい最先端の有効な治療を受けていたことを示している。