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JCOG医療経済小委員会-肝胆膵グループによる薬剤コスト調査研究論文がJapanese Journal of Clinical Oncology (IF:1.9) に掲載されました

論文・学会発表
  • 背景

    • 近年、肝細胞癌に対する全身療法が進歩し、患者の生存期間が延長しているが、薬剤費が高額であるため、患者にも社会にも大きな負担となっている。 本研究の目的は,日本における進行肝細胞癌患者に対する第一選択全身療法として使用されている治療レジメンを検討し,レジメンごとの治療費を推定することである。

  • 方法

    • 本研究では,2021年7月から2022年6月までに進行肝細胞癌に対する第一選択全身療法を受けた患者のデータを集計した。 各レジメンの1ヵ月あたりの治療費は、男性患者の平均体重を60kgと仮定し、標準的な使用方法に基づいて推計した。 データは治療レジメンごとに分類され、治療費は超高額治療(100万円以上/月)、高額治療(50万円以上/月)、その他(50万円未満/月)に分類された。

  • 結果

    • 本研究でデータが解析された24施設552例のうち、439例(79.5%)がアテゾリズマブ+ベバシズマブ、98例(17.8%)がレンバチニブ、15例(2.7%)がソラフェニブを第一選択治療として受けた。 各レジメンの1ヵ月あたりの治療費は、アテゾリズマブ+ベバシズマブ:1,176,284円、レンバチニブ:362,295円、ソラフェニブ:571,644円であった。 総計で82.2%の患者が高費用レジメンを受けており、これらの患者の大多数はアテゾリズマブ+ベバシズマブの超高費用レジメンを受けていた。

  • 結論

    • 肝細胞癌に対する全身療法の進歩は、患者の生存期間の延長につながっている。 しかし、治療費も増加しており、患者と社会の双方に負担を強いている。