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JCOG医療経済小委員会-婦人科腫瘍グループによる薬剤コスト調査研究論文がJapanese Journal of Clinical Oncology (IF:1.9) に掲載されました

論文・学会発表
  • 背景
    • 近年の分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の登場により、婦人科悪性腫瘍の予後は改善している。
  • 方法
    • 日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)医療経済委員会は、2021年7月から2022年6月にかけて、JCOG加盟施設を対象としたアンケート調査を実施し、高額レジメンの普及状況を調査した。
  • 結果
    • 婦人科悪性腫瘍の進行卵巣癌および子宮頸癌に対する標準的レジメンについて、合計57の加盟施設を対象に調査を行った。 卵巣がんについては39施設(68.4%)から、子宮頸がんについては37施設(64.9%)から回答が得られ、それぞれの症例数は854例と163例であった。 卵巣がんでは、854例中505例(59.1%)がPARP阻害剤を含むレジメンで治療を受けており、治療費は月額50万円を超えている。 これらの費用は、それぞれ従来のレジメンの費用の〜20倍、〜10倍である。 子宮頸癌では、79例(48.4%)が1ヵ月あたり20万円を超えるベバシズマブレジメンで治療を受けており、これは従来の治療法の〜10倍の費用であった。
  • 結論
    • 今回の調査では、卵巣癌患者の70%以上がポリ(アデノシン二リン酸リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬またはベバシズマブを含むレジメンで治療を受けており、子宮頸癌患者の〜50%がベバシズマブを含むレジメンで治療を受けていた。 これらの治療法は、それぞれ従来のレジメンより10倍、20倍高価であった。 これらの知見は、今後の医療経済学的研究、特に費用対効果や関連事項の評価に役立つであろう。