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JCOG医療経済小委員会-肺がん内科グループによる薬剤コスト調査研究論文がJapanese Journal of Clinical Oncology (IF:1.9) に掲載されました

論文・学会発表
  • 背景
    • 肺癌の治療はこの10年で飛躍的に進歩したが、薬剤費の高騰により総薬剤費は爆発的に増加している。 現在、日本ではどのレジメンがどの程度使用され、その総費用がどの程度であるかのデータはない。
  • 方法
    • 2021年7月から2022年6月にかけて、日本臨床腫瘍研究グループの肺がん内科グループに所属する国内60施設を対象に、進行肺癌の第一選択治療に関する実態調査を行った。 対象は、ドライバー遺伝子変異陰性NSCLC、EGFR変異陽性NSCLC、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)の3種類とした。
  • 結果
    • ICIまたはICI+化学療法の最近の治療費は、従来の化学療法の約20~55倍であった。 ドライバー遺伝子異常陰性NSCLC患者3738人のうち、2573人(68.8%)が月額50万円以上の治療を受けており、2555人(68.4%)がICI療法を受けていた。 EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者1486人のうち、1290人(86.8%)が月額50万円以上の治療を受け、1207人(81.2%)がオシメルチニブを受けた。 ES-SCLC患者1079例中607例(56.3%)に月額50万円以上のICI治療が行われた。 高齢のNSCLC患者では、若年患者よりも高額治療を受けている割合がやや高かった。
  • 結論
    • 最近の治療法は、従来の化学療法の何倍もの費用がかかる。 本研究により、進行肺癌では高費用治療が広く使用されており、明確なエビデンスがないにもかかわらず高費用治療の一部が使用されていることが明らかになった。 医師は、使用する治療法の費用に注意を払うべきである。