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JCOG医療経済小委員会-胃がんグループによる薬剤コスト調査研究論文がJapanese Journal of Clinical Oncology (IF:1.9) に掲載されました

論文・学会発表
  • 背景
    • 分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬は様々な悪性疾患に対して開発されており、それによって臨床転帰が改善されている。 しかし、これらの薬剤は高価であり、日本における使用実態と費用を評価した研究はほとんどない。 本研究では、進行・再発胃癌(AGC)に対する一次化学療法の使用と費用について、実臨床において調査することを目的とした。
  • 方法
    • 調査対象は、Japan Clinical Oncology Groupの参加92施設において、2022年1月から2022年12月までに初回化学療法を開始したヒト上皮成長因子受容体2型(HER2)陰性のAGC患者である。 レジメンに関するデータはGoogleフォームを用いて収集した。 1ヵ月あたり日本円で50万円を超えるレジメンを高価なレジメンと定義した。
  • 結果
    • 2023年3月から2023年5月までに全92施設で2173例の化学療法レジメンのデータが収集された。 日本胃癌診療ガイドライン第6版に基づき、推奨レジメンと条件付き推奨レジメンによる化学療法を受けた2113例を解析した。 高価なレジメンは、フルオロピリミジン(S-1またはカペシタビンまたは5-フルオロウラシル/レボホリナート)、オキサリプラチン、ニボルマブによる3剤併用化学療法であった。 月額は767,648~771,046円であった。 ニボルマブを含むレジメンは、フルオロピリミジンとオキサリプラチンを含む従来の化学療法の20倍以上の価格であった。 これらのレジメンは2113例中1416例(67%)に使用され、74歳以下の患者の71%、75歳以上の患者の59%に使用された。 
  • 結論:
    • HER2陰性AGC患者の3分の2、および高齢者集団においても半数以上で、従来の化学療法の20倍以上のコストを有するレジメンが初回化学療法として使用された。 この知見は、薬剤の費用対効果に関する今後の医療経済研究にとって重要である。