トピックス

  1. TOP
  2. トピックス
  3. JCOG医療経済小委員会-大腸がんグループによる薬剤コスト調査研究論文がJapanese Journal of Clinical Oncology (IF:1.9) に掲載されました

JCOG医療経済小委員会-大腸がんグループによる薬剤コスト調査研究論文がJapanese Journal of Clinical Oncology (IF:1.9) に掲載されました

論文・学会発表
  • 背景
    • 転移性大腸癌(mCRC)の治療成績は過去数十年で劇的に改善したが、薬剤費も大幅に増加している。 本研究の目的は、転移性大腸癌に対する第一選択治療レジメンが、日本の診療現場で実際にどのような頻度で使用され、どの程度のコストがかかっているかを調査することである。
  • 方法
    • 2021年7月から2022年6月までに日本臨床腫瘍研究グループ/大腸がんグループ37施設で一次治療を受けたmCRC患者のデータを収集し、レジメンのコストを算出した。 各レジメンの1カ月当たりのコストは、体重70kg、体表面積1.8m2の患者を想定し、標準的な使用量に基づいて推定した。 レジメンを超高額レジメン(100万円以上/月)、高額レジメン(50万円以上/月)、その他(50万円未満/月)に分類した。
  • 結果
    • 本試験には1880人が参加し、その24%が75歳以上であった。 分子標的薬を含むレジメンを受けた患者は78%であった。 最も頻繁に使用されたレジメンは、doubletレジメン(フルオロピリミジンとオキサリプラチンまたはイリノテカン)+ベバシズマブ(43%)、次いでdoublet+セツキシマブまたはパニツムマブ(21%)であった。 分子標的薬を含むレジメンの費用(85,406円から843,602円/月)は、殺細胞薬のみのレジメン(17,672円から51,004円/月)よりはるかに高い。 約16%がパニツムマブ含有レジメンとペムブロリズマブを含む高額治療を受けていた(74歳以下の患者の17%、75歳以上の患者の11%)。
  • 結論
    • mCRC患者の約16%が月50万円を超えるレジメンによる一次治療を受けており、分子標的薬がコストの主な要因であった。