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JCOG医療経済小委員会-頭頸部がんグループによる薬剤コスト調査研究論文がJapanese Journal of Clinical Oncology (IF:1.9) に掲載されました

論文・学会発表
  • 背景
    • 過去10年間、新規抗癌剤の登場により、再発・転移性頭頸部扁平上皮癌(RM-SCCHN)の予後は改善されてきた。 しかし、そのために医療費が増加し、患者や社会にとって大きな負担となっている。 本研究では、日本における一部の緩和化学療法レジメンの使用頻度と費用について調査した。
  • 方法
    • 2021年7月から2022年6月にかけて、54の医療施設において、RM-SCCHNと診断され、一般的に使用されている8種類のレジメンのうち1つによる第一選択緩和化学療法を開始した患者のデータを収集した。 上咽頭がん患者は除外した。 各レジメンを受けた患者数、各レジメンの最初の1ヵ月および1年間の費用を集計した。
  • 結果
    • サンプルは907例(674例が75歳未満、233例が75歳以上)であった。 330例(36.4%)がペムブロリズマブ単剤療法を受け、202例(22.3%)がニボルマブ単剤療法を受けた。 90%以上の患者が免疫チェックポイント阻害薬単剤療法または化学療法との併用療法を受けた。 治療レジメンの初月費用は612,851-849,241円であった。 2012年までの標準的な緩和化学療法の費用は1ヵ月あたり約20,000円であった。 過去10年間の増加費用は月約600,000~800,000円であり、RM-SCCHNに対する緩和化学療法の費用は30~40倍に増加している。
  • 結論
    • RM-SCCHNに対する第一選択の緩和化学療法は月600,000円を超える。 この10年間で、RM-SCCHNの予後は改善したが、緩和化学療法にかかる費用は急増し、患者と社会に大きな負担を強いている。