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JCOG医療経済小委員会-脳腫瘍グループによる薬剤コスト調査研究論文がJapanese Journal of Clinical Oncology (IF:1.9) に掲載されました

論文・学会発表
  • 背景
    • 本研究の目的は、悪性脳腫瘍、特に膠芽腫(GBM)と原発性中枢神経系リンパ腫(PCNSL)に対して、現実の日本ではどのような治療が選択されているのか、またそれにかかる費用について調査することである。
  • 方法
    • 2021年7月から2022年6月までに新たに診断されたGBMとPCNSLの治療選択について、日本臨床腫瘍研究グループ-脳腫瘍グループ47施設を対象にアンケート調査を行った. 新規に診断されたGBMまたはPCNSLに対する初回治療の総費用および1カ月あたりの費用を算出した。
  • 結果
    • 74歳以下のGBM患者に対して最も使用されたレジメン(46.8%)は、「手術+放射線治療+テモゾロミド併用」であった。 このレジメンの総費用は750万円であった。 GBMの標準治療に、カルムスチンウエハー移植(15.0%に使用)、TTFields(14.1%に使用)、ベバシズマブ(BEV)(14.5%に使用)を追加すると、初回治療で124万円、1カ月あたりそれぞれ144万円、22万円費用が増加した。 PCNSLについては、全年齢で「手術(生検)+リツキシマブ、メトトレキサート、プロカルバジン、ビンクリスチン(R-MPV)療法」が42.5%と最も多かった。 このレジメンは1ヵ月あたり107万円であった。 R-MPV療法に基づく3つのPCNSLレジメンは、超高額医療(月100万円超)であった。
  • 結論
    • 悪性脳腫瘍の治療は一般に高額であり、BEVのような費用対効果の低い治療が頻繁に行われている。 本研究の結果は、悪性脳腫瘍の費用対効果を検討する将来の医療経済研究のデザインに利用できると考える。