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リンパ腫グループJCOG0203の論文が Hematol Oncol (IF:3.3) に掲載されました

論文・学会発表
  • 概要
    • 濾胞性リンパ腫(FL)は低悪性度リンパ腫であるが、組織学的形質転換(HT)によりアグレッシブリンパ腫となり、生存率の低下につながる。FL患者の臨床経過は様々であり、治療法も様々である。生存期間が短く、診断/治療後24ヵ月(POD24)以内に病勢進行する患者もいる。したがって、生存期間の短縮を予測する因子を同定することは、治療の層別化とFL患者の生存期間の延長に不可欠である。
    • 一次治療としてリツキシマブ+シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン(R-CHOP)を投与された患者におけるPOD24およびHTのリスク因子を解析するため、R-CHOPを2~3週間ごとに6サイクル投与した無作為化臨床試験の進行性低悪性度B細胞リンパ腫患者を対象に、この事後解析を行った。
    • 主たる解析では転帰に差は認められなかったため、2群に割り付けられた248例のFL患者の解析が可能となった。登録された300例の全病理組織標本は、3名の専門病理医により検討された。多変量解析により、濾胞性リンパ腫国際予後指数(FLIPI)の中間リスク(オッズ比[OR]2.531、95%信頼区間[CI]0.676-9.466)および高リスク(OR 2.236、95%CI 0.160-31.226)、B症状(OR 2.091、95%CI 0.747-5.851)、グレード3A(G3A)(OR 1.833、95%CI 0.634-5.299)がPOD24の危険因子であることが示唆された。さらに、追跡期間中央値15.9年までの多変量解析では、G3A(OR 2.628、95%CI 0.806-8.575)および高リスクFLIPI(OR 4.401、95%CI 0.186-104.377)がHTの危険因子として関与していた。しかし、最初の10年間に限定した解析では、より長期の解析から明らかになった予後因子がHTに大きな影響を与えることが明らかになった。
    • G3Aおよび高リスクFLIPIは、独立してPOD24およびHTを予測する可能性があり、それにより将来の臨床試験、特にPOD24患者のアンメットニーズに対処するための未治療進行期FL患者の治療層別化に情報を提供する。