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乳がんグループJCOG0306A1"術前化学放射線療法の病理学的効果判定法を検討する研究"の主たる解析論文がBreast Cancer Research and Treatment (IF:3.0) に掲載されました

論文・学会発表
  • 背景

    • 原発性乳癌に対する術前補助化学療法後放射線療法(NAC-RT)の有効性を検討した第II相試験であるJCOG0306試験では、腫瘍中心部を正確にマーキングした代表断面の標本から病理学的完全奏効(pCR)を評価した[代表標本(RS)法]。本附随研究では、RS法が、予後良好なpCR群を同定するために、本邦で広く採用されている従来の全標本(TS)法と同等であるか否かを検討した。

  • 方法

    • JCOG0306試験に登録された103例の長期追跡データを得た。組織学的治療効果として、pCR(ypT0とypT0/is)と準pCR[QpCR、ypT0/is+Grade2b(浸潤癌細胞がわずかに残存)]をRS法とTS法で評価した。これら2つの方法間のpCRの一致、およびpCRと予後との関連を検討した。

  • 結果

    • ypT0、ypT0/is、QpCRは、RS法では28例(27.2%)、39例(37.9%)、45例(43.7%)で観察されたのに対し、TS法ではそれぞれ20例(19.4%)、25例(24.3%)、40例(38.9%)であった。RS法とTS法のypT0とypTisの一致率はそれぞれ92.2%と86.4%であった。ypT0/is群の再発リスクは非ypT0/is群より低く(HR 0.408、95%CI [0.175-0.946]、P = 0.037)、ypT0/is群の死亡リスクは非ypT0/is群より低かった(HR 0.251、95%CI [0.073-0.857]、P = 0.027)。RS法を用いたypT0群とypT0/is群はTS法を用いた群と同様に予後が良好であり、pCRがypT0またはypT0/isに分類された場合でも、RS法はpCRと非CRのOSとRFSをTS法よりも有意に区別できた。TS法では、QpCR基準はypT0またはypT0/isというpCR基準よりも明確に患者を予後良好群と予後不良群に層別化した。

  • 結論

    • RS法は、原発性乳癌に対してNAC-RTを受けた患者のpCR評価において、腫瘍中心が正確にマークされていれば、TS法と同等であった。RS法によるpCR基準としては、ypT0よりもypT0/isがより適切であった。