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胃がんグループJCOG0501の術後感染性合併症と予後に関する副次的解析論文がJ Gastrointest Cancer (IF:1.6) に掲載されました

論文・学会発表
  • 目的

    • 術後の感染性合併症(IC)は予後不良因子としてよく知られているが、術前補助化学療法(NAC)がICの悪影響を相殺する可能性がある。本解析では、4型および大型の3型胃癌を対象に、手術群(A群)とNAC療法群(B群)を比較した第III相臨床試験(JCOG0501)に登録された胃癌患者を対象に、NACの有無によるICの臨床的影響を比較した。

  • 試験方法

    • 対象は、JCOG0501に登録された316例のうち、R0切除を受けた224例である。各群におけるICの有無による予後を単変量および多変量Cox回帰により検討した。

  • 結果
    • A群で21例(20.0%)、B群で15例(12.6%)のICが発生した。A群では、ICを有する患者の全生存期間(OS)は、ICを有さない患者よりもわずかに不良であった(3年OS、ICを有する患者57.1%、ICを有さない患者79.8%;調整ハザード比(95%信頼区間)、1.292(0.655-2.546))。B群では、ICを有する患者はICを有さない患者よりも生存率が良好な傾向を示した(3年OS、ICを有する患者80.0%、ICを有さない患者74.0%;調整ハザード比、0.573(0.226-1.456))。
  • 結論
    • 本研究は、NAC投与を受けている胃癌患者におけるICの予後への負の影響を示すことはできなかった。正確なエビデンスを構築するためには、前向きかつ多数のデータを用いたさらなる調査が期待される。