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リンパ腫グループJCOG0601"未治療進行期低リスク群のびまん性大細胞型Bリンパ腫に対するR-CHOP療法におけるRituximabの投与スケジュールの検討を目的としたランダム化第II/III相試験"の副次的解析論文がBlood Neoplasiaに掲載されました
論文・学会発表- リンパ腫グループJCOG0601"未治療進行期低リスク群のびまん性大細胞型Bリンパ腫に対するR-CHOP療法におけるRituximabの投与スケジュールの検討を目的としたランダム化第II/III相試験"の副次的解析論文がBlood Neoplasiaに掲載されました
- Nakashima T, Suzuki T, Machida R, Shimada K, Kobayashi T, Maruyama D, Munakata W, Iida S, Ohmachi K, Kinoshita T, Ando K, Nagai H. Prognostic Impact of RDI of Vincristine in Patients with DLBCL Receiving R-CHOP: A Supplementary Analysis of JCOG0601. Blood Neoplasia. 2025 2025/02/16/:100077.
- 概要
- R-CHOP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン[VCR]、プレドニゾロン)は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の前治療歴のない患者に対する標準治療である。 しかし、DLBCL生存者の中には、VCRに関連した末梢神経障害(PN)が長期間持続する例もある。 VCRの投与量は通常、PNの重症度に応じて減量されるが、VCRの減量がDLBCL患者の予後に及ぼす影響については、一貫性のない結果が報告されている。 VCR の相対的投与量強度(RDI)(RDIO)の臨床的影響を評価するため、R-CHOP 療法とリツキシマブを週 8 回投与する CHOP 療法を無増悪生存期間(PFS)について比較した無作為化第 II/III 相試験である JCOG0601 試験の補足解析を行った。
- JCOG0601試験に登録された422例のうち、プロトコール治療を6コース以上受けた401例が適格であった。 PFSは、RDIOが低い患者(95%未満[n=161])と高い患者(95%以上[n=240])の間に有意差はなかったが(p=0.0679)、RDIOが低い患者はPFSが不良である傾向があった(3年PFS、83.7%対78.2%)。 多変量解析により、RDIOではなく、B症状の存在と国際予後指数(IPI)高中間リスクまたは高リスクがPFS不良と関連していることが明らかになった。
- 結論として、本研究は、リツキシマブと 21 日周期の CHOP を併用した前向き試験のデータを用いて、VCR の減量は、B 症状の存在や高中間期または高 IPI リスクほど PFS 不良と関連しない可能性があることを初めて示したものである。 DLBCL患者がリツキシマブ+CHOP療法を完遂できれば、毒性によるVCR減量は治療効果を有意に損なわない可能性がある。