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胃がんグループJCOG0912の手術合併症のリスク因子に関する副次解析論文がEuropean Journal of Surgical Oncology (IF:3.8)に掲載されました

論文・学会発表
  • 背景

    • 胃癌に対する胃切除術後の腹部外科感染性合併症(ASIC)は患者の生存とQOLを損なう。JCOG0912は、臨床病期IA期またはIB期の胃癌に対する腹腔鏡補助下幽門側胃切除術と開腹幽門側胃切除術を比較するために実施された。本研究では、前向きに収集されたデータを用いてASICの危険因子を同定することを目的とした。

  • 方法

    • JCOG0912のデータセットを用いてASICのリスク因子の事後解析を行った。すべての合併症はClavien-Dindo分類(CD)に従って評価した。ASICは、CDグレードI以上の吻合部漏出、膵瘻、腹部膿瘍、創感染と定義した。解析は単変量解析および多変量解析にロジスティック回帰モデルを用いて行った。

  • 結果

    • 合計910例の患者が組み入れられた(年齢中央値、63歳;男性、61%)。そのうち5.8%の患者にASICが発生した。単変量解析では、男性(オッズ比[OR]2.855、P = 0.003)、糖尿病(OR 2.565、P = 0.029)、Roux-en-Y(R-Y)再建(対Billroth Ⅰ、OR 2.707、P = 0.002)がASICの有意な危険因子であった。多変量解析では、男性(OR 2.364、P = 0.028)およびR-Y再建(対Billroth Ⅰ、OR 2.310、P = 0.015)がASICの独立した危険因子であった。 

  • 結論

     

    • 男性ならびにR-Y再建は、胃遠位端切除術後のASICの危険因子であった。したがって、男性患者に手術を行う場合、または胃癌に対する胃切除後にR-Y再建を選択する場合、外科医はASICを予防するために特別な注意を払うべきである。