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頭頸部がんグループJCOG1008の副次的解析論文がOral Oncology (IF:4.0) に掲載されました
論文・学会発表- 頭頸部がんグループJCOG1008"局所進行頭頸部扁平上皮癌術後の再発ハイリスク患者に対する3-Weekly CDDPを同時併用する術後補助化学放射線療法とWeekly CDDPを同時併用する術後補助化学放射線療法に関するランダム化第Ⅱ/Ⅲ相試験"の副次的解析論文がOral Oncology (IF:4.0) に掲載されました
- Shimizu H, Kodaira T, Kiyota N, Hayashi R, Nishino H, Asada Y, Mitani H, Hirayama Y, Onozawa Y, Nishio N, Hanai N, Ohkoshi A, Hara H, Monden N, Nagaoka M, Minami S, Fujii T, Tanaka K, Homma A, Yoshimoto S, Oridate N, Omori K, Ueda T, Okami K, Uemura H, Shiga K, Nakahira M, Asakage T, Saito Y, Sasaki K, Kitabayashi R, Ishikura S, Nishimura Y, Tahara M. Incidence and risk factors associated with the development of hypothyroidism after postoperative chemoradiotherapy for head and neck cancer patients with high-risk features: Supplementary analysis of JCOG1008. Oral Oncol. 2024 Aug 6; 157:106976.
- 背景と目的
- 甲状腺機能低下症は、頭頸部癌(HNC)に対する放射線療法後の晩期有害事象として知られている。 JCOG1008試験では、高リスクHNC患者に術後化学放射線療法を行った。 JCOG1008のデータを解析することで、甲状腺機能低下症に関連する因子を解明することを目的とした。
- 方法
- 2012年から2018年にかけて、28施設から261例の患者がJCOG1008に登録された。 甲状腺機能低下症を評価するため、遊離サイロキシン(FT4)および甲状腺刺激ホルモン測定を含む甲状腺機能検査を実施した。 甲状腺機能低下症は、CTCAE v4.0のGrade 2以上と定義した。 様々な臨床的および線量学的パラメータを解析した。 放射線治療では、甲状腺に対する線量の制約はなかった。 甲状腺機能低下症の予測因子を同定するために、これらの変数について多変量解析を行った。
- 結果
- 解析対象は162例(3D-CRT57例、IMRT105例)で、追跡期間中央値は4.7年(0.3-9.3年)であった。 このうち27例(16.7%)が放射線治療後2年以内に甲状腺機能低下症を発症した。 多変量解析では、週1回のシスプラチン[OR=7.700(CI:1.632-36.343、p=0.010)]とベースラインのFT4[OR=0.009(CI:<0.001-0.313、p=0.010)]がIMRT群の甲状腺機能低下症と有意に関連していた。 線量特性に関しては、V60Gy[OR=1.069(CI:0.999-1.143、p=0.054)]が甲状腺機能低下症の発症と潜在的に関連していた。
- 結論
- 本研究により、高リスクHNCに対する術後化学放射線療法後2年以内の甲状腺機能低下症の発生率は、前向き臨床試験の解析結果に基づいて16.7%であることが明らかになった。
- キーワード
- 甲状腺機能低下症、強度変調放射線療法、JCOG1008、ランダム化比較試験、二次解析、シスプラチン週1回投与、高リスク術後頭頸部がん(HNC)。