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頭頸部がんグループJCOG1008の副次的解析論文がOral Oncology (IF:4.0) に掲載されました

論文・学会発表
  • 背景と目的
    • 甲状腺機能低下症は、頭頸部癌(HNC)に対する放射線療法後の晩期有害事象として知られている。 JCOG1008試験では、高リスクHNC患者に術後化学放射線療法を行った。 JCOG1008のデータを解析することで、甲状腺機能低下症に関連する因子を解明することを目的とした。
  • 方法
    • 2012年から2018年にかけて、28施設から261例の患者がJCOG1008に登録された。 甲状腺機能低下症を評価するため、遊離サイロキシン(FT4)および甲状腺刺激ホルモン測定を含む甲状腺機能検査を実施した。 甲状腺機能低下症は、CTCAE v4.0のGrade 2以上と定義した。 様々な臨床的および線量学的パラメータを解析した。 放射線治療では、甲状腺に対する線量の制約はなかった。 甲状腺機能低下症の予測因子を同定するために、これらの変数について多変量解析を行った。
  • 結果
    • 解析対象は162例(3D-CRT57例、IMRT105例)で、追跡期間中央値は4.7年(0.3-9.3年)であった。 このうち27例(16.7%)が放射線治療後2年以内に甲状腺機能低下症を発症した。 多変量解析では、週1回のシスプラチン[OR=7.700(CI:1.632-36.343、p=0.010)]とベースラインのFT4[OR=0.009(CI:<0.001-0.313、p=0.010)]がIMRT群の甲状腺機能低下症と有意に関連していた。 線量特性に関しては、V60Gy[OR=1.069(CI:0.999-1.143、p=0.054)]が甲状腺機能低下症の発症と潜在的に関連していた。
  • 結論
    • 本研究により、高リスクHNCに対する術後化学放射線療法後2年以内の甲状腺機能低下症の発生率は、前向き臨床試験の解析結果に基づいて16.7%であることが明らかになった。 
  • キーワード
    •  甲状腺機能低下症、強度変調放射線療法、JCOG1008、ランダム化比較試験、二次解析、シスプラチン週1回投与、高リスク術後頭頸部がん(HNC)。