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肝胆膵グループJCOG1202の胆道癌の肝切除後の術後S-1のfeasibilityに関する副次的解析論文がEuropean Journal of Surgical Oncology (IF:3.8) に掲載されました
論文・学会発表- 肝胆膵グループJCOG1202"根治切除後胆道癌に対する術後補助療法としてのS-1療法の第III相試験"の胆道癌の肝切除後の術後S-1のfeasibilityに関する副次的解析論文がEuropean Journal of Surgical Oncology (IF:3.8)に掲載されました
- Kobayashi S, Nakachi K, Ikeda M, Konishi M, Ogawa G, Uesaka K, Yanagimoto H, Morinaga S, Wada H, Shimada K, Takahashi Y, Nakagohri T, Gotoh K, Kamata K, Shimizu Y, Ajiki T, Kawamoto Y, Ueno M, Okusaka T, Furuse J, Stu HPO, JCOG JCOG. Feasibility of adjuvant S-1 chemotherapy after major hepatectomy for biliary tract cancers: An exploratory subset analysis of JCOG1202. European Journal of Surgical Oncology
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背景
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肝切除術(MH)は肝機能障害をもたらし、術後早期の術後補助化学療法の有効性に影響を及ぼす可能性があるが、詳細な検討はなされていない。JCOG1202(UMIN000011688)は、胆道癌(BTC)に対する術後補助化学療法S-1の優位性を証明した無作為化第III相試験である。本研究の目的は、BTCに対するMHが術後補助化学療法S-1に及ぼす影響を検討することである。
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方法
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全424例のうち、207例にはS-1が投与され(S-1群)、残りの217例にはS-1が投与されなかった。BTCに対するMHと非大肝切除術(NMH)を比較した。
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結果
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S-1群では、42例がMHを受け、165例がNMHを受けた。MHは胆道再建の割合を含めNMHと治療前の特徴が類似していたが、血小板数(17.7 vs 23.4×104/mm3、p<0.0001)と血清アルブミン値(3.5 vs 3.8g/dL、p<0.0001)が低かった。治療完遂率はMHの方がNMHより低い傾向にあり(59.5% vs 75.8%;リスク比、0.786[95%信頼区間、0.603-1.023]、p=0.0733)、投与量の中央値も低かった(88.7% vs 99.6%、p=0.0358)。投与中止の主な理由は、MH後の胆道感染症と胃腸障害であった。グレード3-4の胆道感染症の頻度は、MHで19.0%であったのに対し、NMHでは4.2%であった。
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結論
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治療完了率および投与強度は、MHの方がNMHより低かった。BTCに対するMH後のS-1補助療法では、胆道感染症や消化管障害に注意すべきである。
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