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頭頸部がんグループJCOG1212のT4aに対する主たる解析論文がInternational Journal of Radiation Oncology Biology Physics(IF:7.0)に掲載されました

論文・学会発表
  • 背景

    • 局所進行した上顎洞癌では、標準的治療として根治手術が必要である。しかし、この手術はしばしば著しい醜状と機能障害をもたらす。JCOG1212は、T4aN0M0およびT4bN0M0上顎洞扁平上皮癌(MS-SCC)に対するシスプラチン超選択的動脈内注入療法と放射線併用療法(RADPLAT)の安全性と有効性を評価することを目的としている。ここでは、T4aコホートにおける有効性確認段階の結果を報告する。

  • 患者と方法

    • 患者はシスプラチン100mg/m2を毎週動脈内に7週間投与され、放射線治療(合計70Gy)が併用された。本試験は、主要評価項目である3年全生存率(3年OS)を評価することを目的とし、RADPLATと過去の手術における3年OSのコントロール(80%)とを比較した。

  • 結果
    • 2014年4月から2018年8月までに、18施設から65例がT4aコホートに登録され、男性54例、女性11例、年齢中央値64歳(範囲40~78歳)、ECOG PS 0/1(58/7)であった。不適格患者1例を除外した後、64例が有効性と安全性の主要解析に組み入れられた。全適格患者の追跡期間中央値は4.5年であり、primary endpointである3年生存割合は82.8%(90%信頼区間、73.4%-89.2%)であった。急性有害事象に関しては、粘膜炎(グレード3以上)、好中球減少(グレード3以上)、クレアチニン増加(グレード2以上)、聴力障害(グレード2以上)、脳卒中(グレード2以上)がそれぞれ20.3%、14.1%、3.1%、3.1%、1.6%の患者に認められた。血栓塞栓イベントによる治療関連死が1例報告された。
  • 結論
    • RADPLATがT4aN0M0 MS-SCC患者に対して、より古い時期の手術における3年OSのヒストリカルコントロールと比較して良好な結果を示し、いくつかの特異的毒性を示したことを示した。したがって、RADPLATは、手術と同様に、これらの患者に対する可能な治療選択肢とみなすことができる。