トピックス
胃がんグループJCOG1301Cの短期成績論文がGastric Cancer (IF:7.4)に掲載されました
論文・学会発表- 胃がんグループJCOG1301C"高度リンパ節転移を有するHER2陽性胃・食道胃接合部腺癌に対する術前trastuzumab併用化学療法の意義に関するランダム化第II相試験"の短期成績論文がGastric Cancer (IF:7.4) に掲載されました
- Tokunaga M, Machida N, Mizusawa J, Ito S, Yabusaki H, Hirao M, Watanabe M, Imamura H, Kinoshita T, Yasuda T, Hihara J, Fukuda H, Yoshikawa T, Boku N, Terashima M. Early endpoints of a randomized phase II trial of preoperative chemotherapy with S-1/CDDP with or without trastuzumab followed by surgery for HER2-positive resectable gastric or esophagogastric junction adenocarcinoma with extensive lymph node metastasis: Japan Clinical Oncology Group study JCOG1301C (Trigger Study). Gastric Cancer. 2024 Jan 19.
-
背景
-
本ランダム化第II相試験では、リンパ節転移を有するHER2陽性切除可能胃癌に対する術前化学療法(NAC)として、トラスツズマブ+S-1+シスプラチン(SP)のSP単独療法に対する優越性を検討した。
-
-
方法
-
HER2陽性の胃がんまたは食道胃接合部がんで、広範なリンパ節転移を有する適格患者を、SPによる術前化学療法を3コースまたは4コース行う群(A群)、SPとトラスツズマブを併用する群(B群)に無作為に割り付けた。胃切除後、両群ともS-1による術後補助化学療法を1年間施行した。プライマリーエンドポイントは全生存期間であり、サンプルサイズは130例であった。本試験はJapan Registry of Clincal Trials(jRCTs031180006)に登録されている。
-
-
結果
-
本報告では、病理所見と安全性を含む短期エンドポイントを報告する。本試験は患者登録が進まず、早期に終了した。合計46例の患者がA群(n=22)とB群(n=24)に割り付けられた。A群では20例(91%)、B群では23例(96%)でNAC投与が完了し、グレード3-4の血液学的および非血液学的有害事象は同程度であった。客観的奏効率はA群で50%、B群で84%であった(p = 0.065)。R0切除率は91%と92%であり、病理学的奏効率(日本式分類で≧grade 1b)は切除患者でそれぞれ23%と50%(p = 0.072)であった。
-
-
結論
-
トラスツズマブはプラチナ製剤を含む2剤併用化学療法にNACとして安全に追加することができ、広範なリンパ節転移を有する局所進行のHER2陽性胃癌または食道胃接合部癌に対してより高い抗腫瘍活性に寄与する可能性がある。
-