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肝胆膵グループJCOG1407"局所進行膵癌を対象としたmodified FOLFIRINOX療法とゲムシタビン+ナブパクリタキセル併用療法のランダム化第II相試験"の副次的解析論文がPancreatology (IF:2.8) に掲載されました

論文・学会発表
  • 背景・目的
    • Depth of Response(DpR;標的病変の直径の合計のベースラインからの最大減少率)は、いくつかの悪性腫瘍において予後を予測する可能性を示している。 しかし、局所進行膵癌(LAPC)におけるその役割はまだ不明である。 JCOG1407において、LAPCに対するmodified FOLFIRINOX(mFOLFIRINOX)とゲムシタビン+ナブパクリタキセル(GnP)は同等の有効性を示した。 JCOG1407のデータを用いた今回の探索的解析では、DpRと予後との関連に注目した。
  • 方法
    • DpRを3分位点で3群に分類し、患者背景と生存期間を比較した。 多変量Cox比例ハザードモデルを用いて、生存期間に対するDpRの影響を評価した。
  • 結果
    • JCOG1407に登録された126例のうち、109例が組み入れられ、3つのDpR群に分類された: T1(-37.2%未満)、T2(-37.2~-13.6%)、T3(-13.6%以上)であった。 DpR中央値はmFOLFIRINOX群よりGnP群で有意に大きかった(-28.9 vs -22.7%、P=0.041)。 奏効期間中央値はmFOLFIRINOX群よりGnP群の方が短い傾向にあったが、その差は有意ではなかった(5.3ヵ月 vs 8.2ヵ月、P=0.132)。 無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)については、T3よりもDpRが大きいT1の方が有意に大きく、ハザード比は0.469(95%信頼区間[CI]0.268-0.821、P=0.008), と 0.398 (95% CI 0.217-0.728, P=0.003).
  • 結論
    • mFOLFIRINOX療法とGnP療法は同程度のOSを示したが、注目すべきは両レジメンでDpRに差があり、GnP療法の方がDpRが高かったことである。 DpRが大きいほどLAPC患者の生存率は改善する。