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肺がん内科グループJCOG2007の主解析論文がThe Lancet Respiratory Medicine (IF:38.7) に掲載されました
論文・学会発表- 肺がん内科グループJCOG2007"ドライバー遺伝子陰性・不明の未治療進行非小細胞肺癌に対するプラチナ製剤併用化学療法+ペムブロリズマブとプラチナ製剤併用化学療法+ニボルマブ+イピリムマブのランダム化比較第III相試験"の主解析論文が The Lancet Respiratory Medicine (IF:38.7) に掲載されました
- Shiraishi Y, Nomura S, Sugawara S, Horinouchi H, Yoneshima Y, Hayashi H, Azuma K, Hara S, Niho S, Morita R, Yamaguchi M, Yokoyama T, Yoh K, Kurata T, Okamoto H, Okamoto M, Kijima T, Kasahara K, Fujiwara Y, Murakami S, Kanda S, Akamatsu H, Takemoto S, Kaneda H, Kozuki T, Ando M, Sekino Y, Fukuda H, Ohe Y, Okamoto I. Comparison of platinum combination chemotherapy plus pembrolizumab versus platinum combination chemotherapy plus nivolumab-ipilimumab for treatment-naive advanced non-small-cell lung cancer in Japan (JCOG2007): an open-label, multicentre, randomised, phase 3 trial. The Lancet Respiratory Medicine. 2024.
- 背景
- プラチナ製剤ベースの化学療法とPD-1またはそのリガンドPD-L1に対する抗体、CTLA-4に対する抗体の併用は、転移性非小細胞肺癌(NSCLC)の生存期間を改善してきた。 しかし、プラチナ製剤ベースの化学療法にPD-1またはPD-L1阻害剤を併用した場合に、CTLA-4阻害剤を追加することによる生存期間の延長を評価した無作為化比較試験はない。
- 方法
- この非盲検無作為化第3相試験は、日本の48の病院で実施された。 対象は、前治療歴のない20歳以上の進行NSCLCで、Eastern Cooperative Oncology Groupのパフォーマンスステータスが0または1である患者であった。 既知のドライバー癌遺伝子を有する患者は除外された。 参加者は、白金製剤ベースの化学療法(4サイクル)+ペムブロリズマブ投与群(ペムブロリズマブ群)と白金製剤ベースの化学療法(2サイクル)+ニボルマブ・イピリムマブ投与群(ニボルマブ・イピリムマブ群)に無作為に割り付けられた(1:1)。 主要評価項目は全生存期間とし、無作為に割り付けられた全患者を対象にintention-to-treatベースで評価した。 本試験はJapan Registry of Clinical Trials [臨床研究等提出・公開システム](jRCTs031210013)に登録されており、現在新規登録は締め切られ継続中である。
- 結果
- 2021年4月6日の患者登録開始から2023年3月30日の試験中止までの間に、ニボルマブ-イピリムマブ群148例中11例(7%)に治療関連死が認められた。 治療関連死が多かったため、患者登録は早期に打ち切られ、295例(男性236例[80%]、女性59例[20%])が登録された。一次解析は、117例の死亡(必要とされた329例より少ない)に基づいて行われた。 2023年5月25日(データカットオフ)までに、全生存期間はニボルマブ-イピリムマブ群とペムブロリズマブ群で有意差はなかった(中央値それぞれ23-7ヵ月[95%信頼区間17-6-推定不能] vs 20-5ヵ月[17-6-推定不能];ハザード比0-98[90%信頼区間0-72-1-34];p=0-46)。 グレード3以上の非血液学的有害事象は、ニボルマブ・イピリムマブ群では146例中87例(60%)に、ペムブロリズマブ群では144例中59例(41%)に発現した。 ペムブロリズマブ群はニボルマブ-イピリムマブ群と比較してQOLが良好な傾向にあった。
- 解釈
- 安全性および有効性のデータから、進行NSCLC患者の一次治療として、ニボルマブ-イピリムマブ併用療法とプラチナ製剤ベースの化学療法との併用療法は、ペムブロリズマブ併用療法とプラチナ製剤ベースの化学療法との併用療法と比較して、ベネフィット-リスクプロファイルが好ましくないことが示唆されたが、確定的な結論は全生存期間に関する最新の解析が待たれる。
- 資金提供
- 国立がん研究センター研究開発費および日本医療研究開発機構 (AMED)。