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JCOGリンパ腫グループ JCOG0601の最終解析論文がJapanese Journal of Clinical Oncology (IF: 2.2)に掲載されました
論文・学会発表- JCOGリンパ腫グループ JCOG0601の最終解析論文がJapanese Journal of Clinical Oncology (IF: 2.2)に掲載されました
- Ohmachi K, Kinoshita T, Maruyama D, Machida R, Sano Y, Yamauchi N, Fukuhara N, Uchida T, Yamamoto K, Miyazaki K, Tsukamoto N, Iida S, Yoshida I, Imaizumi Y, Suzuki Y, Yoshida S, Masaki Y, Murayama T, Yakushijin Y, Suehiro Y, Nosaka K, Dobashi N, Kuroda J, Takamatsu Y, Munakata W, Ando K, Ishizawa K, Ogura M, Yoshino T, Hotta T, Tsukasaki K, Tobinai K, Nagai H. Final results of JCOG0601 randomized trial of R-CHOP versus CHOP combined with dose-dense rituximab for diffuse large B-cell lymphoma. Jpn J Clin Oncol. 2025 Sep 2.
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背景
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びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者の予後改善に向けた複数の試みにもかかわらず、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン(R-CHOP)療法は、未治療DLBCLにおける標準治療として依然として用いられている。無作為化第II/III相試験(JCOG0601)は、高頻度投与リツキシマブと標準CHOP療法の併用(RW-CHOP)の有効性を検証するために実施された。本稿では、8年間の追跡調査後の事後解析として、JCOG0601試験の最終結果を報告する。
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方法
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未治療DLBCL(病期I-IV、パフォーマンスステータス0-2)の20-79歳の患者を、標準R-CHOP群またはRW-CHOP群に無作為に割り付けた。
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結果
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2007年12月から2014年12月までに、421名の患者がR-CHOP群(n=213)またはRW-CHOP群(n=208)に無作為に割り付けられた。中央値9.6年の追跡期間において、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)に有意差は認められなかった[PFSにおけるハザード比(HR)0.94;95%信頼区間(CI)0.67-1.32; OSにおけるHR、0.94;95% CI、0.63-1.41]。両群ともPFSおよびOSの中央値は推定不可能であった。グレード≥3の心毒性は21例(5.0%)で認められた。二次悪性腫瘍の累積発生率は、R-CHOP群で14.6%、RW-CHOP群で16.8%であった。研究登録から二次性悪性腫瘍発症までの中央値は4.5年であり、発生率は時間依存性であった。日和見感染症を含む予期せぬ有害事象は認められなかった。
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結論
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本最終追跡データは、PFSおよびOSにおいてRW-CHOPの非劣性を確認した。未治療DLBCLに対する標準治療は、従来型R-CHOPが依然として標準である。
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キーワード:DLBCL;R-CHOP;リツキシマブ