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JCOG脳腫瘍グループ JCOG0911A2の主解析論文がMagnetic Resonance in Medical Sciences (IF: 2.5)に掲載されました
論文・学会発表- JCOG脳腫瘍グループ JCOG0911A2"化学放射線療法を施行した膠芽腫のMRIによる治療効果判定ならびにMRIによる予後予測に関する研究"の主解析論文がMagnetic Resonance in Medical Sciences (IF: 2.5)に掲載されました
- 目的
- 日本臨床腫瘍グループ(JCOG)脳腫瘍グループが実施した新規診断膠芽腫(nGBM)を対象としたランダム化第 2 相試験である JCOG0911 で回収した画像を再評価する。
- 方法
- 腫瘍体積と生存期間の相関を評価した: JCOG0911試験に登録された118例のnGBM患者から回収したMRIを用いて、腫瘍容積と生存期間との相関を評価した後、RANO(Response Assessment in Neuro-Oncology)基準に基づく独立中央審査による無増悪生存期間(PFS)の解析を行った。 nGBMの予後を予測する放射線学的特徴を同定するため、放射線学的解析も実施した。
- 結果
- Gd増強およびT2強調画像/fluid attenuated inversion recovery高強度病変の分布は主に白質を占めていた。JCOG0911では右側病変が多かった。Gd増強病変の切除範囲の中央値は99%であった。全生存期間は、術後のGd強調病変の容積と有意ではない負の傾向を示し(P = 0.22)、ハザード比は容積と並行して増加した。登録後のPFS中央値は、局所RECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors:固形がんにおける奏効評価基準)ベースと中央RANOベースの診断で302日と308日であった。しかし、初期段階では両者の間に明らかな不一致が観察され、これはおそらく、RECISTに基づく局所診断による偽増悪の誤診によるものと考えられた。ラジオミクス解析により、nGBMの予後を予測する28のラジオミクス的特徴が同定され、そのうちの5つは別のコホートで以前に同定されたものであった。 構築されたラジオミクスに基づく予後予測モデルは、コホートを高リスク群と低リスク群に層別化した(P = 0.028)。
- 結論
- 将来の臨床試験に組み込むことが可能な新規の解析法の検証に成功した。RANOとRECISTは、偽進行が適切に処理されれば、進行度判定に違いはないかもしれない。
- キーワード
- RANO; RECIST; 神経膠芽腫; 無増悪生存期間; ラジオミクス。