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JCOG頭頸部がんグループ JCOG1008の副次的解析論文がCancer Medicine (IF: 2.9)に掲載されました

論文・学会発表
  • JCOG頭頸部がんグループ JCOG1008"局所進行頭頸部扁平上皮癌術後の再発ハイリスク患者に対する3-Weekly CDDPを同時併用する術後補助化学放射線療法とWeekly CDDPを同時併用する術後補助化学放射線療法に関するランダム化第II/III相試験"の副次的解析論文がCancer Medicine (IF: 2.9)に掲載されました
  • Imamura Y, Kiyota N, Tahara M, Kodaira T, Hayashi R, Nishino H, Asada Y, Mitani H, Iwae S, Nishio N, Onozawa Y, Hanai N, Ohkoshi A, Hara H, Monden N, Nagaoka M, Minami S, Kitabayashi R, Sasaki K, Homma A, the Head and Neck Cancer Study Group of the Japan Clinical Oncology Group. Effect of acute kidney injury and overall survival in patients with postoperative head and neck cancer who received chemoradiotherapy with cisplatin: A supplementary analysis of the phase II/III trial of JCOG1008. Cancer Medicine. 2024;13(18):e70235.
  • 背景
    • ランダム化第II/III相試験(JCOG1008)において、術後高リスク頭頸部癌に対するシスプラチン週1回投与(40mg/m2、weekly群)は、シスプラチン3週に1回投与(100mg/m2、3-weekly群)に対して非劣性であった。我々は、シスプラチンの主要な用量制限毒性である急性腎障害(AKI)が全生存期間(OS)にどのように影響するかを検討した。
  • 方法
    • 化学放射線療法を受けたJCOG1008の患者251名のデータを解析した。AKIは、化学放射線療法終了後30日以内のAKIN基準(血清クレアチニン上昇0.3mg/dL以上または1.5倍以上[I期以上])に基づいて定義した。両群のOSをAKI発症の有無によりlog-rank検定を用いて比較した。
  • 結果
    • AKIの総発生率はweekly群では3-weekly群より低かった(38/122例[31.1%] vs 56/129例[43.4%])。さらに、ステージII/IIIのAKIはweekly群では3-weekly群より発生頻度が低かった(8/122例[6.6%] vs 19/129例[14.7%])。シスプラチンの投与量は、AKIを発症した患者と発症しなかった患者でweekly群では同等であったが(中央値、238.6mg/m2 vs. 239.2mg/m2; p = 0.94)、AKIを発症した患者では3-weekly群の方が少なかった(中央値、276.3mg/m2 vs. 297.4mg/m2; p = 0.007)。weekly群では、AKIの有無によるOSの差は認められなかった(ハザード比[HR]、1.06;95%信頼区間[CI]、0.53~2.10)。 しかし、3-weekly群では、AKIを有する患者はAKIを有さない患者よりもOSが不良であった(HR、1.83;95%CI、1.04~3.21)。
  • 結論
    • このJCOG1008データの副次的解析では、AKIは術後化学放射線療法を受けた頭頸部がん患者のOSに3-weekly群では影響を及ぼしたが、weekly群では影響を及ぼさなかった。 本結果は、このような状況において40mg/m2のシスプラチンを毎週投与することをさらに支持するものである。
  • キーワード
    • 急性腎障害、シスプラチン、頭頸部がん、全生存期間。