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JCOG乳がんグループによる JCOG1017 (PRIM-BC) の副次的解析論文が Breast Cancer (IF: 2.7)に掲載されました
論文・学会発表- JCOG乳がんグループによる JCOG1017 (PRIM-BC) の副次的解析論文が Breast Cancer (IF: 2.7)に掲載されました
- Tanaka K, Shimomura A, Ishitobi M, Yamanaka T, Tsukioki T, Iwata H, Hara F, Fujisawa T, Sasaki K, Sadachi R, Kajikawa R, Sakai T, Sagara Y, Shigematsu H, Ozaki Y, Nozawa K, Sudo K, Naito Y, Terata K, Ishiba T, Fukuda H, Shien T. Differences in drug efficacy and prognosis between primary and metastatic sites for de novo stage IV breast cancer: an exploratory analysis of a phase III trial, JCOG1017. Breast Cancer. 2026.
- 背景
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乳癌は高度に不均一な疾患であり,エストロゲン受容体,プロゲステロン受容体,HER2受容体などの生物学的因子が原発巣と転移巣で異なることがあり,そのことが治療反応性に影響を及ぼす可能性がある.本探索的解析の目的は,IV期乳癌において,原発巣と転移巣の間で薬剤有効性および長期予後の違いを明らかにすることである.
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- 方法
- 原発巣切除の意義を検証した第III相試験JCOG1017に登録され,初回全身治療(primary systemic therapy: PST)を受けた患者を対象として,治療開始3か月時点で評価を行った.本解析では,治療効果を原発巣および転移巣でそれぞれ個別に判定した.患者は以下の4群に分類した:discordant I(原発巣 non-PD,転移巣 PD),concordant I(両者とも PD),discordant II(原発巣 PD,転移巣 non-PD),concordant II(両者とも non-PD).
- 結果
- 271例を対象とした結果,原発巣と転移巣の治療効果判定の全体不一致割合は25.1 %であった.各群の分布は,discordant I 24.7 %,concordant I 9.6 %,discordant II 0.4 %,concordant II 65.3 %であった.治療効果の不一致は,HER2-enriched subtype(11.1 %)と比べて,luminal subtype(28.9 %),triple-negative subtype(25.0 %),luminal-HER2 subtype(22.0 %)でより高頻度に認められた.生存時間解析では予後の差が認められ,原発巣および転移巣のいずれも non-PD であった concordant II 群は,discordant I 群と比較して最も良好な転帰を示した(HR 0.556;95 %信頼区間 0.396--0.782).
- 結論
- 患者の約4分の1において,治療早期の段階で原発巣と転移巣の間に治療反応の不一致が認められた.これらの不一致は生存転帰の差と関連しており,de novo IV期乳癌における治療効果判定および治療戦略決定に際して,原発巣と転移巣の両方を評価する重要性が示唆された.
