トピックス

  1. TOP
  2. トピックス
  3. JCOG乳がんグループ JCOG1017の主解析論文がBritish Journal of Cancer (IF: 6.8)に掲載されました

JCOG乳がんグループ JCOG1017の主解析論文がBritish Journal of Cancer (IF: 6.8)に掲載されました

論文・学会発表
  • JCOG乳がんグループ JCOG1017の主解析論文がBritish Journal of Cancer (IF: 6.8)に掲載されました
  • Shien T, Hara F, Aogi K, Yanagida Y, Tsuneizumi M, Yamamoto N, Matsumoto H, Suto A, Watanabe K, Harao M, Kanbayashi C, Itoh M, Kadoya T, Anan K, Maeda S, Sasaki K, Ogawa G, Saji S, Fukuda H, Iwata H. Primary tumour resection plus systemic therapy versus systemic therapy alone in metastatic breast cancer (JCOG1017, PRIM-BC): a randomised clinical trial. Br J Cancer. 2025 Jul 4.
  • 背景

    • いくつかの前向き研究で、de novo Stage IV乳癌(BC)患者における原発巣切除(PTR)の有益性が評価されているが、依然として議論の余地がある。われわれは、PTRがde novo stage IVのBC患者の生存を改善するかどうかを調べることを目的とした。

  • 方法

    • 初回登録時に新生IV期BC患者が登録され、臨床的サブタイプに従って全身療法を受けた。 3ヵ月間の一次全身療法後に進行のなかった患者を、全身療法単独群(A群)とPTR+全身療法群(B群)に1:1で無作為に割り付けた。 主要評価項目は全生存期間(OS)、副次的評価項目は局所無再発生存期間(LRFS)であった。

  • 結果

    • 2011年5月5日から2018年5月31日までに570例が登録された。 このうち407例がA群(N=205)またはB群(N=202)に無作為に割り付けられた。 無作為化された全患者の追跡期間中央値は60ヵ月であった。 OSの差は統計的に有意ではなかった(HR 0.86 90% CI 0.69-1.07、one-sided p = 0.13)。 OS中央値は69ヵ月(A群)、75ヵ月(B群)であった。 サブグループ解析では、PTRは閉経前の患者または単臓器転移を有する患者においてOSの改善と関連していた。 B群のLRFSはA群より有意に長かった(LRFS中央値20ヵ月対63ヵ月:HR 0.42、95%CI 0.33-0.53、p<0.0001)。 治療関連死はなかった。

  • 結論

    • PTRはOSを延長しなかった。 しかし、PTRは局所制御を改善し、閉経前の患者や単臓器転移のある患者など、一部の患者には有益であった。 また、局所無再発生存期間(LRFS)も改善し、これは全身療法の試験において臨床的に意義のある結果である。

  • 臨床試験登録 UMIN臨床試験登録(UMIN000005586);日本臨床試験登録(jRCTs031180151)。