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JCOG大腸がんグループ JCOG1107の主解析論文がAnnals of Surgery Openに掲載されました

論文・学会発表
  • JCOG大腸がんグループ JCOG1107の主解析論文がAnnals of Surgery Openに掲載されました
  • Akagi T, Inomata M, Kanzaka R, Katayama H, Fukuda H, Shiomi A, Ito M, Watanabe J, Murata K, Hirano Y, Shimomura M, Tsukamoto S, Hamaguchi T, Kitano S, Kanemitsu Y. A Randomized Open-Label, Noninferiority, Phase 3, Multicenter, Controlled Trial to Compare Laparoscopic Surgery With Open Surgery for Symptomatic, Noncurable Stage IV Colorectal Cancer (JCOG1107). Annals of Surgery Open. 2025;6(2):e580.
  • 目的 

    • 治癒切除不能なIV期大腸癌(CRC)患者の無増悪生存期間(PFS)において、開腹手術(OP)に対する腹腔鏡手術(LAP)の非劣性を確認すること。

  • 背景 

    • LAPとOPの利点が示唆されているが、症候性非治癒性CRCに対するLAP後の長期生存率は不明なままである。

  • 方法 

    • この非盲検多施設共同無作為化対照試験では、日本の42施設の認定外科医のみが参加した。 適格基準は、病理学的に証明された腺癌または腺扁平上皮癌、腸管狭窄および/または出血の原因となる大腸のどこかに原発腫瘍があること、少なくとも1~3個の非治癒因子があることであった。 患者は術後にmFOLFOX6+bevacizumabまたはCapeOX+bevacizumabを投与され、OP群とLAP群に1:1で無作為に割り付けられた。 主要評価項目はPFSで、ハザード比(HR)の非劣性マージンは1.38とした。

  • 結果 

    • 2013年1月から2021年1月にかけて、195例の患者が無作為化された(OP、n=95、LAP、n=100)。 92例がOP療法、98例がLAP療法を受け、OP療法82例、LAP療法86例が術後化学療法を受けた。 PFS中央値はOP群で9.7ヵ月(95%CI = 8.7-11.3)、LAP群で10.4ヵ月(9.1-12.4)であった。 LAPの非劣性が確認された[HR = 1.02; 91.4% CI = 0.79-1.32(<1.38), 非劣性のP = 0.021]。 全生存期間中央値はOP群で23.9ヵ月(95%CI = 18.6-29.4)、LAP群で25.4ヵ月(19.4-29.0)であった(HR = 0.99;95%CI, 0.72-1.36)。 院内死亡率は1.1%(OP)、0%(LAP)であった。 術後合併症(Grade 2-4)はイレウス(OP=12.0%、LAP=5.1%)、創感染(OP=2.2%、LAP=2.0%)、吻合部リーク(OP=0%、LAP=2.0%)であった。

  • 結論 

    • LAPは、症候性で非治癒性のIV期CRCに対する標準治療として受け入れられると思われる。

  • 臨床試験登録: UMIN-CTR、番号UMIN000009715。