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JCOG肝胆膵グループ JCOG1113A1の主解析論文がScientific Reports (IF: 3.9)に掲載されました
論文・学会発表- JCOG肝胆膵グループ JCOG1113A1の主解析論文がScientific Reports (IF: 3.9)に掲載されました
- Sakamoto Y, Morizane C, Okusaka T, Mizusawa J, Hiraoka N, Shirota T, Ueno M, Kobayashi S, Ikeda M, Imaoka H, Ozaka M, Okano N, Yamaguchi H, Mizuno N, Nishina T, Katanuma A, Kojima Y, Gotoh K, Okamura K, Kawamoto Y, Sugimori K, Terashima T, Sugimoto R, Shirakawa H, Furuse J. Impact of ERCC1 on the outcomes of chemotherapy in advanced biliary tract cancer. Sci Rep. 2025 Sep 30;15(1):33862.
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第III相無作為化試験JCOG1113は、進行性胆道癌(BTC)においてゲムシタビンとシスプラチン(GC)療法に対するゲムシタビンとS-1(GS)療法の非劣性を実証した。しかしながら、良好な治療反応や患者の予後を予測するバイオマーカーは依然として不足している。本研究では、JCOG1113参加者の腫瘍検体を免疫組織化学染色し、シスプラチンまたはS-1の有効性に関与する可能性のある5つの候補バイオマーカーを評価した。参加者はトレーニングセットとテストセットに無作為に分けられ、トレーニングセットにおける各バイオマーカーの免疫組織化学染色結果から算出したカットオフ値に基づき、高発現群と低発現群に分類された。各バイオマーカーの発現とJCOG1113における転帰との関連性を解析した。適格な148名の参加者において、GC群とGS群の治療群間での相互作用は、いずれの因子・バイオマーカーでも認められなかった。しかし、切除修復交差補完遺伝子1(ERCC1)の高発現は、全生存期間の不良(HR=2.226; 95% CI, 1.160-4.272) および無増悪生存期間(HR, 1.793; 95% CI, 0.945-3.402)の不良と関連していた。テストセットでも同様の傾向が認められた。本結果は、進行性BTCにおいてERCC1高発現が不良予後因子であることを示唆している。
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キーワード:胆道癌;化学療法;ERCC1;予後因子。