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JCOG頭頸部がんによる JCOG1212"局所進行上顎洞原発扁平上皮癌に対するCDDPの超選択的動注と放射線同時併用療法の用量探索および有効性検証試験"のT4aコホートに関する最終解析論文が International Journal of Clinical Oncology (IF: 2.5)に掲載されました
論文・学会発表- JCOG頭頸部がんによる JCOG1212"局所進行上顎洞原発扁平上皮癌に対するCDDPの超選択的動注と放射線同時併用療法の用量探索および有効性検証試験"のT4aコホートに関する最終解析論文が International Journal of Clinical Oncology (IF: 2.5)に掲載されました
- 背景
- JCOG1212は、局所進行上顎洞原発扁平上皮癌(cT4a,bN0M0)に対するシスプラチン超選択的動脈内同時注入療法と放射線治療(RADPLAT)の用量設定および有効性確認試験である。 本研究では、T4aコホートに対する有効性確認段階の最終解析結果と、晩期有害事象および長期有効性を評価するための5年間の追跡データについて報告する。
- 方法
- 投与量確定期の結果に基づき、有効性確認期ではシスプラチン100 mg/m2を毎週7回動脈内注入し、放射線治療(70Gy)を併用した。 5年予後と晩期有害事象を評価した。
- 結果
- 2014年4月から2018年8月までに64例が解析対象となり(不適格患者1例は除外)、31例が3次元コンフォーマル放射線療法(3D-CRT)、33例が強度変調放射線療法(IMRT)で治療された。 5年全生存率は71.9%、無イベント生存率は54.7%、局所無イベント生存率は57.5%であった。 晩期有害事象では、グレード3以上の非血液毒性が63例中42.9%に認められた(網膜症:12例、白内障:10例、下顎骨壊死:4例など)。 グレード3および4の患側白内障は、IMRT群の3.1%(1/32)に対し、3D-CRT群では22.6%(7/31)に発現した。 21人の患者が死亡しており、その内訳は原疾患によるものが15人、その他の原因によるものが5人、治療関連によるものが1人であった。
- 結論
- RADPLATの5年追跡後の予後は良好で、晩期有害事象は許容され、治療関連死の割合は低かった。