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JCOG肺がん内科グループ JCOG2007の副次的解析論文がLung Cancer (IF: 4.5)に掲載されました
論文・学会発表- JCOG肺がん内科グループ JCOG2007の副次的解析論文がLung Cancer (IF: 4.5)に掲載されました
- Nomura S, Sekino Y, Shiraishi Y, Toi Y, Yoshida T, Tanaka K, Suzuki S, Azuma K, Hara S, Morita R, Niho S, Koda T, Toyozawa R, Yoh K, Kurata T, Fukuda H, Ohe Y, Okamoto I. A treatment-related death predictive score for treatment-naive advanced non-small cell lung cancer. Lung Cancer. 2025 May 16;204:108584.
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背景
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ニボルマブとイピリムマブの併用化学療法(NIC)は、進行非小細胞肺癌(NSCLC)の治療歴のない患者の生存成績を改善する。 しかし、これらの患者では、特にNICによる治療関連死(TRD)の発生率が高い。 本研究では、TRDリスクの低い患者、高い患者を選択するためのリスク層別化スコアを考案することを目的とした。
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方法
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JCOG2007試験のデータセットを使用し、NICとペムブロリズマブ(PC)併用化学療法を比較した。 TRDスコアは適応LASSO回帰分析から構築された。
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結果
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JCOG2007試験では、295例の患者がPC群(n=147)とNIC群(n=148)にそれぞれ無作為に割り付けられた。 TRDスコアは、NICを受け、共変量が欠落していない124人の患者について構築された。 2分法TRDスコアを作成し、治療を受けた全290例(登録された全295例)を高リスク患者92例(92/92)と低リスク患者198例(203/203)に層別化した。 低リスク患者ではTRD発生率に明らかな差は認められなかった(PCでは2.2%[0/92]、NICでは2.8%[3/106])が、高リスク患者ではこの差が顕著であった(PCでは1.9%[1/52]、NICでは20.0%[8/40])。 295例のうち、死亡のハザード比は低リスク群で0.894(0.553-1.444)、高リスク群で1.215[0.696-2.122]であった。 NIC群では、免疫関連有害事象(irAEs)と無増悪生存期間の両方で一貫して悪い転帰が観察された。
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結論
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国内外の外部データを用いたさらなる検証研究が必要であるが、TRDスコアは、PCおよびNICレジメン間で毒性-有効性プロファイルが同等である患者を同定するための貴重なツールである。
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キーワード
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免疫関連有害事象;免疫チェックポイント阻害薬;非小細胞肺癌;治療関連死。
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