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JCOG胃がんグループによる JCOG2212A の主解析論文がGastric Cancer (IF: 5.1)に掲載されました
論文・学会発表- JCOG胃がんグループによる JCOG2212A の主解析論文がGastric Cancer (IF: 5.1)に掲載されました
- Wada T, Yokoyama M, Ito S, Hashimoto T, Kawabata K, Ehara K, Nomura T, Aizawa M, Kawabata R, Takahari D, Sasako M, Tsuburaya A, Sano T, Terashima M, Boku N, Kurokawa Y, Yoshikawa T. Therapeutic value of para-aortic lymph node dissection in gastric cancer with extensive lymph node metastasis: integrated analysis of three phase II trials (JCOG2212A). Gastric Cancer. 2026.
- 背景
- 日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)は,bulky lymph node(Bulky N)および/または傍大動脈リンパ節(para-aortic lymph node: PAN)を有する胃癌(gastric cancer: GC)を広範リンパ節転移(extensive lymph node metastasis: ELM)と定義し,異なるレジメンを用いた3つの第II相試験(JCOG0001:イリノテカン/シスプラチン,JCOG0405:シスプラチン/S-1,JCOG1002:ドセタキセル/シスプラチン/S-1)を通じて,術前化学療法後にD2胃切除および傍大動脈リンパ節郭清(para-aortic lymph node dissection: PAND)を行う治療戦略を開発してきた.しかし,PANDが生存期間の改善に寄与するか否かは依然として不明である.
- 方法
- JCOG0001,JCOG0405,およびJCOG1002の統合データを用いて,治療的価値指数(therapeutic value index)を検討した.患者は臨床診断に基づき,PANを伴わずBulky Nのみを有するBulky N群と,Bulky Nの有無にかかわらずPANを有するPAN群に分類した.各リンパ節領域について,転移頻度と,転移を有する患者における5年無再発生存割合(5-year relapse-free survival: 5yRFS)を乗じることにより,治療的価値指数を算出した.
- 結果
- 計122例を解析対象とした(Bulky N群:68例,PAN群:54例).Bulky N群におけるPAN領域の転移頻度/5yRFS/治療的価値指数は,それぞれ15.2%/30.0%/4.5であった(JCOG0001:27.8%/20.0%/5.6,JCOG0405:13.6%/33.3%/4.5,JCOG1002:7.7%/50.0%/3.8).PAN転移頻度は試験が進むにつれて低下した.PAN群におけるPAN領域の転移頻度/5yRFS/治療的価値指数は,それぞれ44.4%/4.2%/1.9であった(JCOG0001:81.3%/7.7%/6.3,JCOG0405:30.0%/0.0%/0.0,JCOG1002:27.8%/0.0%/0.0).特に,直近2試験における治療的価値指数はいずれも0であった.
- 結論
- PANDはBulky N群において一定の潜在的役割を保持している可能性がある一方,PAN群における有益性は限定的であると考えられた.両群において,PAN転移頻度および治療的価値は低下傾向を示した.これらのサブグループは異なる特性を有することから,PAND省略の是非は,将来の検証において各群を分けて評価されるべきである.
