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JCOGデータセンター/運営事務局 JCOG2306Aの患者登録ペースのリスク因子解析論文がTrials (IF: 2.0)に掲載されました

論文・学会発表

  • 背景
    • 患者登録がうまくいかないと、臨床試験の報告が遅れ、その結果、新しい治療法の開発が遅れる可能性がある。 追加のリソースを必要とするリスクを低減するためには、実際の登録期間との乖離を最小限に抑えながら予定登録期間を設定することが望ましい。 そこで、JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)が実施した臨床試験データを用いて、臨床試験のタイムリーな完了に必要な患者登録期間のリスク因子と適切な見積もり方法を検討した。
  • 方法
    • 1990年1月1日から2021年6月30日までに患者登録が開始された199試験を対象とした。 説明変数には、試験開始前に評価可能な因子を含めた。 また、実際の登録ペースの推定方法が予定発生期間内に完了するかどうかも評価した。
  • 結果
    • 約23.6%の試験が計画された登録期間内に完了した。 試験延長のリスク因子には、計画された募集期間が3年を超えること(規準:3年以下、オッズ比[OR]0.37、95%信頼区間[CI]: 0.15-0.92、P = 0.033)、および試験デザイン(規準:非ランダム化第II相試験、非ランダム化第III相試験[OR:3.28、95% CI:0.99-10.9、P = 0.051]、ランダム化第II相試験[OR:3.91、95% CI:0.75-20.30、P = 0.105]、ランダム化第III相試験[OR:9.29、95% CI:3.39-25.40、P < 0.001])であった。 過去の臨床試験に基づき登録ペースを推定する方法は、参加施設の登録ペースに関する調査評価に基づく推定方法(OR:1.12、95% CI:0.56-2.26、P=0.751)とは異なり、試験の迅速な登録完了を予測した(OR:3.51、95% CI:1.73-7.10、P<0.001)。 さらに、過去の臨床試験に基づき登録ペースを考慮する方法を用いた場合、予定登録期間と実際の登録期間の乖離は最小であった。
  • 結論
    • 過去の臨床試験のデータが入手可能な場合、過去の臨床試験の登録ペース を考慮することは、必要な登録期間の推定に有用である。 調査を行う際には、各施設の症例を過大評価しないように注意する必要がある。