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JCOG大腸がんグループ JCOG2310Aの副次的解析論文がEuropean Journal of Cancer (IF: 7.6)に掲載されました
論文・学会発表- JCOG大腸がんグループ JCOG2310A"Stage II/III大腸癌を対象とした臨床病理学的特徴と予後の関連に関する探索的研究"の副次的解析論文がEuropean Journal of Cancer (IF: 7.6)に掲載されました
- Hirano H, Kataoka K, Yamaguchi T, Wagner AD, Shimada Y, Inomata M, Hamaguchi T, Takii Y, Mizusawa J, Sano Y, Shiomi A, Shiozawa M, Ohue M, Adachi T, Ueno H, Ikeda S, Komori K, Tsukamoto S, Takashima A, Kanemitsu Y. Sex Differences in Toxicities and Survival Outcomes Among Japanese Patients with Stage III Colorectal Cancer Receiving Adjuvant Fluoropyrimidine Monotherapy: A Pooled Analysis of 4 Randomized Controlled Trials (JCOG2310A). European Journal of Cancer. 2024.
- 背景
- フルオロピリミジンは、III期大腸癌に対する術後補助化学療法の主要な薬剤である。 欧米の研究では、女性の性別は手術後の予後良好因子として有利であるが、フルオロピリミジンによる術後補助化学療法中の有害事象(AE)のリスク因子でもあることが示されている。
- 方法
- 4件のランダム化比較試験でフルオロピリミジン単剤による術後補助化学療法を受けたIII期CRC患者を解析した。 AE発生率および生存転帰を女性患者と男性患者で比較した。
- 結果
- 合計3170例(女性:1516例、男性:1654例)が本解析の対象となった。 男性と比較して、女性は相対用量強度(≧90%:女性59.1% vs 男性67.6%)が低く、減量を必要とする割合が高く(28.8% vs 20.4%)、術後補助化学療法を完了する割合が低かった(77.0% vs 81.7%)。 多変量解析では、女性であることがグレード3-4のAE発生率の高さと関連していることが示された(オッズ比1.80[95%CI 1.51-2.14])。 多変量解析において、女性性は全生存期間(ハザード比[HR]:0.80[0.65-0.97])および無再発生存期間(HR:0.73[0.63-0.85])の予後因子として同定された。 女性患者は男性患者よりも再発までの期間(TTR)イベントが少なかった(5年TTR:17.7% vs 22.3%)。
- 結論
- フルオロピリミジン単剤療法を受けた日本人III期CRC患者において、性差はAE発症および生存転帰に影響を及ぼした。
- キーワード
- 大腸がん; 術後補助化学療法; フルオロピリミジン; 性差