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JCOG大腸がんグループ、EORTC、ESSOの国際共同研究EORTC-1527-GITCG-IG/ESSO-02/JCOG 1609INTの論文がJAMA Surgery (IF: 14.9)に掲載されました

論文・学会発表
  • 重要性

    • 大腸癌肝転移(CLMs)患者において、化学療法後のCTで診断された消失性肝転移(DLMs)の最適治療法は議論の的となっている。

  • 目的

    • DLMsの非生存性を正確に評価するための磁気共鳴画像法(MRI)(拡散強調画像、T1/T2強調画像、造影剤強化画像)およびCTの診断的価値を検討すること。

  • デザイン、設定、対象者

    • 本研究は、フランス、オーストリア、ベルギー、米国、日本の21施設において、初回に切除不能と診断されたCLM患者が化学療法後に肝切除可能な病期に進行した症例を対象とした前向き国際共同研究である。2016年11月から2021年3月までに計233例が登録され、112例が組み入れられ、最低2年間の追跡調査を実施した。臨床データ収集は2023年9月に終了し、2024年8月から2025年5月にかけてデータを解析した。

  • 曝露

    • 化学療法後の評価としてCTとMRIを併用した。DLMはCTで消失した病変と定義した。確認DLM(cDLM)はCTとMRIの両方で消失した病変と定義した。

  • 主要評価項目

    • 病理学的完全奏効(切除病変)または2年間の追跡期間中のcDLM部位における再発の有無(残存病変)を用いてcDLMの非生存性を評価する際に、MRIおよびCTの陰性的中率(NPV)を主要エンドポイントとした。計画された検体数は評価可能なcDLM 149例とし、片側α=5%、検出力90%でNPV 0.85以下を排除することを目標とした。

  • 結果

    • 全112例(平均年齢[標準偏差]60.0[10.4]歳; 男性67例[59.8%])において、合計152例のcDLMおよび227例のDLMが評価可能であった。切除されたか残存したかを問わず、全評価可能cDLMの陰性予測値(NPV)は62.5%(95/152;90%信頼区間、50.8-74.2)であり、事前設定した閾値を下回った。DLMのNPVは52.9%であった。切除されたcDLMと残存cDLMのNPVはそれぞれ56.8%(50/88;90% CI 44.2-69.5)および70.3%(45/64;90% CI 48.6-92.0)であった。肝外転移がなくR0/1切除を受けた患者において、残存cDLMが1個以上残存した群と全cDLMが切除された群の間で、無病生存率および全生存率に有意差は認められなかった。

  • 結論と意義

    • MRIとCTの併用はCT単独と比較して非生存性DLMの検出精度が優れていたが、当初切除不能なCLM患者においてcDLMは非生存性と対応していなかった。この状況下におけるcDLM切除に伴う生存利益は依然不明である。

  • 試験登録:ClinicalTrials.gov Identifier: NCT02781935.