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JCOG大腸がんグループJCOG1018の主解析論文がJournal of Clinical Oncology (IF:42.1) に掲載されました

論文・学会発表
  • 目的
    • フルオロピリミジン(FP)とオキサリプラチン(OX)にベバシズマブ(BEV)を加えた2剤併用化学療法は、切除不能な転移性大腸癌(MCRC)に対する標準的なレジメンである。 しかし、FP+BEVが標準的である高齢患者において、FP+BEVにOXを追加することの有効性は不明である。 われわれは、このような集団に対して、FP+BEVにOXを追加することの優越性を確認することを目的とした。
  • 方法
    • この非盲検ランダム化第III相試験は、日本の42施設で実施された。 70〜74歳でEastern Cooperative Oncology Group performance status(ECOG-PS)が2の切除不能MCRC患者と75歳以上でECOG-PSが0〜2の患者をFP+BEV群とOX追加(FP+BEV+OX)群にランダムに割り付けた(1:1)。 フルオロウラシル+レボホリナートカルシウムまたはカペシタビンは登録前に申告された。 主要エンドポイントは無増悪生存期間(PFS)とした。 本試験はJapan Registry of Clinical Trials(番号:jRCTs031180145)に登録された。
  • 結果
    • 2012年9月から2019年3月にかけて、251例の患者がFP+BEV群(n=125)とFP+BEV+OX群(n=126)にランダムに割り付けられた。 年齢中央値はそれぞれの群で80歳と79歳であった。 PFS中央値はFP+BEV群で9.4ヵ月(95% CI、8.3~10.3)、FP+BEV+OX群で10.0ヵ月(9.0~11.2)であった(ハザード比[HR]、0.84[90.5% CI、0.67~1.04];片側P = 0.086)。 全生存期間中央値はFP + BEV群で21.3ヵ月(18.7~24.3ヵ月)、FP + BEV + OX群で19.7ヵ月(15.5~25.5ヵ月)であった(HR, 1.05 [0.81 to 1.37])。 グレード3以上の有害事象の割合はFP+BEV+OX群で高かった(52%対69%)。 治療関連死はFP+BEV群で1例、FP+BEV+OX群で3例であった。 
  • 結論
    • 高齢のMCRC患者において、初回治療としてFP + BEVにOXを追加することの有益性は示されなかった。 この集団にはFP+BEVが推奨される。