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JCOG肝胆膵グループJCOG1202A1の主解析論文がJournal of Hepato-Biliary-Pancreatic Sciences (IF: 3.2)に掲載されました
論文・学会発表- JCOG肝胆膵グループJCOG1202A1"胆道癌の術後補助療法における薬剤感受性予測因子に関する探索的研究"の主解析論文がJournal of Hepato-Biliary-Pancreatic Sciences (IF: 3.2)に掲載されました
- Mitsunaga S, Ikeda M, Nomura S, Morizane C, Todaka A, Yamamoto N, Kamata K, Yanagibashi H, Mizuno N, Kawamoto Y, Gotoh K, Shirakawa H, Okano N, Nomura T, Tanaka K, Takahashi A, Yagi S, Ohta K, Takayama Y, Miwa H, Nagano H, Kojima Y, Hisano T, Tahara M, Sakuma Y, Arai H, Nakamura I, Katayama H, Konishi M, Ueno M. 5-Fluorouracil metabolic pathway genes predict recurrence risk following adjuvant S-1 therapy: Results of an ancillary analysis from a phase III trial of resected biliary tract cancer (JCOG1202A1). J Hepatobiliary Pancreat Sci. 2024 Sep 25.
- 背景
- 経口フルオロピリミジン誘導体であるS-1は、胆道癌(BTC)切除患者に対する標準的な術後補助療法である。これは、第III相試験であるJCOG1202において、S-1術後補助療法の手術単独療法に対する生存期間延長効果が示されたことに基づく。本研究はJCOG1202の附随研究であり、チミジンホスホリラーゼ(TP)およびジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPD)を含む5-フルオロウラシル(5-FU)代謝経路の遺伝子の予後への影響を評価することを目的とした。
- 方法
- 183名の患者(手術単独:n=94、S-1補助療法:n=89)のホルマリン固定パラフィン包埋薄切検体から腫瘍細胞中の5-FU代謝経路遺伝子を測定した。 無再発生存期間(RFS)における治療群と遺伝子発現レベルの交互作用を評価するため、無作為にトレーニングセット(n=96)とバリデーションセット(n=87)に分けた。
- 結果
- 低DPD群(トレーニングセットおよびバリデーションセットにおいて、それぞれHR=0.440および0.748)および低TP群(それぞれHR=0.709および0.602)において、S-1術後補助療法がRFSで上回った。 臨床病理学的特徴は低DPD群と高DPD群の間でバランスがとれていた。 高TP集団では、低TP集団と比較してより進行した病期の患者が多かった(p = 0.0332)。
- 結論
- この結果は、低DPDおよび低TP遺伝子発現を有するBTC切除患者におけるS-1術後補助療法のRFSにおけるベネフィットを示唆するものである。
- キーワード
- 5-FU 代謝経路、DPD、S-1、術後補助療法、胆道癌。