頭頸部がんグループ Head and Neck Cancer Study Group:HNCSG

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頭頸部がんグループ Head and Neck Cancer Study Group:HNCSG

  • グループ代表者:清田尚臣(神戸大学医学部 )

  • グループ事務局:花井信広(愛知県がんセンター)

  • 主任研究者:田原信(国立がん研究センター東病院)
    本間明宏(北海道大学大学院医学研究科)
    花井信広(愛知県がんセンター)

  • グループ代表委員:尾上琢磨(兵庫県立がんセンター)
    古平毅(愛知県がんセンター)
    齊藤祐毅(東京大学医学部)
    佐野大佑(横浜市立大学附属病院)
    田中薫(近畿大学病院)
    西川大輔(愛知県がんセンター)
    平岡伸也(京都大学医学部附属病院)
    安田耕一(北海道大学病院)
    山﨑知子(埼玉医科大学国際医療センター)


  • 設立:2011年

               

※グループ代表委員とは、グループで行われる臨床試験の計画、実施の際に中心的な役割を担うメンバーです。
※主任研究者に関する詳しい情報は、共同研究班一覧をご覧ください。

          

概要

JCOG頭頸部がんグループは2011年4月に発足したJCOGのなかでは新しいグループです。頭頸部は多臓器の集合体であり、頭頸部がんは、口腔、鼻副鼻腔、上咽頭、中咽頭、下咽頭、喉頭、唾液腺、甲状腺などに大別され、発生部位やステージごとに標準治療が異なっています。しかし、これまで多施設共同臨床試験があまり行われてこなかったために施設により治療が異なったり、エビデンスに乏しい治療が行われたりすることが少なくありませんでした。そこで本グループでは頭頸部がんに対する標準治療を確立すべく活発に多施設共同研究を展開しております。頭頸部進行がんの治療は手術・放射線治療・薬物療法を組みわせて行う集学的治療が必要ですが、私たちのグループは、耳鼻咽喉科頭頸部外科医、放射線治療医、腫瘍内科医で構成され、理想的な頭頸部がんの集学的治療、つまり低侵襲で、QOLを維持し、治療成績を向上させる治療を開発するべく活動しています。

       

研究のあゆみ

頭頸部がんグループは2005年に消化器がん内科グループ内に小班として発足し、「根治切除不能な頭頸部扁平上皮癌に対するS-1+CDDPを同時併用する化学放射線療法の第II相試験(JCOG0706)」(研究代表者 藤井正人)を2008年より開始することから始まりました。そして、2011年4月に消化器がん内科グループから頭頸部がんグループ(参加施設13施設)として独立しました。発足時のグループ代表が藤井正人先生(2011-15年度、元東京医療センター耳鼻咽喉科部長)、その後、林隆一先生(2016-2019年度、国立がん研究センター東病院副院長)、本間明宏先生(2020年度~、北海道大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科)が務められ、参加施設は33施設となり現在に至っています。
JCOG0706は2010年に予定通り登録を完了、2012年に結果をASCOで発表、2015年に最終結果をCancer Science誌に報告しました。
2012年10月から開始した「局所進行頭頸部扁平上皮癌術後の再発ハイリスク患者に対する3-Weekly CDDPを同時併用する術後補助化学放射線療法とWeekly CDDPを同時併用する術後補助化学放射線療法に関するランダム化第II/III相試験(JCOG1008)」(研究代表者 田原信)は、より低侵襲な術後化学放射線療法の開発を目指した試験で、海外からも非常に注目されていましたが、2019年12月の第3相部分2回目の中間解析にてWeekly CDDP+RT の非劣性が示され有効中止となり、2020年のASCOの頭頸部がんのoral sessionで最も注目された発表でした。
現在は、「局所進行上顎洞原発扁平上皮癌に対するCDDPの超選択的動注と放射線同時併用療法の用量探索および有効性検証試験(JCOG1212)」(研究代表者 本間明宏)、「Stage I/II舌癌に対する予防的頸部郭清省略の意義を検証するランダム化比較第III相試験(JCOG1601)」(研究代表者 花井信広)の2つの試験が登録中で、「頭頸部癌化学放射線療法における予防領域照射の線量低減に関するランダム化比較試験(JCOG1912)」も登録開始に向けて準備中です。
JCOG1212は上顎洞原発扁平上皮癌に対する非手術治療の試験です。抗がん薬の超選択的動注と放射線同時併用療法を新たな標準治療として確立することを目指して行っております。
JCOG1601は、「早期舌癌に対する予防的頸部郭清術は必要なのか?」という頭頸部がんにおける最大のクリニカルクエスチョンへの回答となるシンプルで骨太の試験です。
JCOG1912は予防照射領域の線量を低減した放射線治療により、治療効果は維持し、晩期有害事象を軽減できるかどうかを明らかにする試験で放射線治療グループとのインターグループ試験です。

          

今後の展望

JCOG頭頸部がんグループは、質の高い臨床試験を立案・実施して新たな標準治療を確立し、質の高い治療の普及と均てん化を進め、臨床試験を通じて人材育成に努めることで、頭頸部がん患者さんに貢献できるようこれからも邁進していきたいと思います。

         

※グループ活動の紹介文は、2020年8月に更新したものです。

           

実績

        

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